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旧未分類 | 2009年02月24日

アンジェスMG、「NF−κB デコイ」の歯周病に対する有効性を動物試験で確認

大阪大学が行ったNF−κBデコイの研究において、歯周病に対する有効性が動物試験において確認され、同試験結果が科学雑誌”Antioxidants & Redox Signaling”に掲載された。
 
 本研究において、NF−κBデコイはイヌ歯周病モデルの歯根部歯肉粘膜下に投与したところ、歯周炎による歯肉の退縮、歯槽の骨吸収を統計学的に有意に抑制した。また、イヌの歯槽骨欠損モデルを用いて、NF−κBデコイの創傷治療効果を検討したところ、コントロールと比較して、歯槽骨欠損部の治癒促進効果が確認された。これは、NF−κBデコイにより、歯周炎発症時に亢進されるIL−6(interleukin−6)やMCP−1(monocyte chemotactic protein−1)等の炎症因子産生を抑制することで、破骨細胞の活性化を抑制し、骨吸収を抑制することが示唆された。一方で、骨代謝に関与する正常な細胞には影響を及ぼさなかった。
 歯周病は、歯肉炎と歯周炎に大別されるが、中でも歯周炎は歯肉に初発した炎症が深部歯周組織に波及したものであり、プラーク中の口腔細菌がその原因であると考えられている。歯周炎の治療には抗生物質や抗炎症薬が用いられているが、歯と歯周組織を連結している付着機構が壊れ、次第に歯槽骨も吸収されてしまうため、重症になると抜歯することになる。
 同社は、炎症と骨吸収を制御できるNF−κB デコイが歯周病の治療薬となることで、歯周病治療の選択肢が更に広がることを期待するとしている。