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旧未分類 | 2009年11月30日

加齢により「イソ吉草酸」が増加、中高年の不快な口臭に深く関与-原因検証

中高年の口臭の原因を明らかにするため、川口陽子・教授(東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野)と研究を進めた結果、足の不快な臭いで知られる「イソ吉草酸」など、揮発性低級脂肪酸が主要因になっていることを明らかにした。イソ吉草酸の量は加齢によって増加し、口臭の官能評価値とも有意に関連性があることも、臨床試験で確認した。
  今回の研究ではまず、中高年に特徴的な口臭成分を特定するため、口腔内の細菌が産生する臭気物質を分析した。一般的な口腔内細菌37種を培養し、産生する揮発性化合物を分析した結果、加齢により増加が認められたプレボテラ属の細菌やポルフィロモナス・ジンジバリス菌が、2-メチル酪酸、イソ吉草酸などの揮発性低級脂肪酸を産生することが分かった。それに対し、年齢依存性のないフゾバクテリウム菌は、メチルメルカプタンを産生するものの、2-メチル酪酸やイソ吉草酸は産生しないこと、他の口腔内細菌は2-メチル酪酸、イソ吉草酸はほとんど産生しないことが分かった。
 その成績を踏まえて、中高年の口臭の原因が揮発性低級脂肪酸だと仮定し、成分の検証に取り組んだ。東京医科歯科大学歯学部付属病院の口臭専門外来受診者91人(平均年齢52歳)を対象に、臨床試験を行った結果、年齢と口気中のイソ吉草酸の量との間に、有意な相関関係が認められた。加齢に伴って口腔内にプレボテラ属の細菌が多くなることによって、イソ吉草酸の産生量も増加する結果が得られている。
 さらに、対象者の口気を6段階官能評価で検査し、口臭がある群(63人)とない群(28人)で分析したところ、口臭あり群でイソ吉草酸の濃度が有意に高く、口臭とイソ吉草酸量に関連があることが分かった。
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