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旧未分類 | 2010年09月07日

脳・心筋梗塞、危険性高める(@_@)

日本の糖尿病患者は、2007年の国民栄養調査で890万人。血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が、糖尿病の水準には達していないものの、正常値よりずっと高い「耐糖能異常者」も入れると、2200万人を超えます。主に生活習慣の欧米化が原因です。

 
糖尿病が怖いのは、気づかないうちに他の病気を引き起こすところです。足が壊死(えし)して切断しなければならなくなったり、網膜の血管から出血して視力が失われたり。脳梗塞(こうそく)や心不全、不整脈もよく起きます。歯周病もその一つです。

 
歯周病は、歯周病菌が食べ物の残りかすを栄養にして増殖し、歯垢(しこう)(プラーク)となって歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)にくっつき、歯茎などに炎症を引き起こす病気です。歯茎がだんだんやせてきて、最後は歯茎の下の骨(歯槽骨)まで溶かされ、歯が抜け落ちます。

 
糖尿病の人は、血糖管理がうまくいかないと血糖値が上がり、ある種のたんぱく質がたくさんできて血管内にたまります。すると、血管が硬くなり、炎症を引き起こす物質が血液中に増えることが分かってきました。

 
この物質は、糖尿病の治療に使われるインスリンの働きを抑えてしまいます。そのため、インスリンの効き目が3割くらい落ちることが分かっています。歯周病は歯茎などが炎症を起こす病気ですから、治療せずに放っておくとインスリンの効きが悪くなって糖尿病が悪化し、歯周病もさらにひどくなるという悪循環に陥ります。

 
逆に一生懸命に血糖値の管理をし、歯周病の治療もした患者の場合、歯の状態はだんだんよくなり、血糖値も「糖尿病ではない」と言えるくらいのレベルまで下がった例もあります。

 
滋賀医大付属病院の糖尿病内科を受診した患者133人の歯茎の状態を調べたデータがあります。そのうち93%の人に明らかな歯周病が見られました。一方、一般住民を対象とした調査では歯周病は、47%でした。これらの結果、糖尿病の人はどの年代でも歯周病になりやすいことが明らかになりました。

 
ただ、歯科健診を定期的に受けていた人は受けていない人に比べて、歯周病の重症度が明らかに低いことが分かりました。すべてが義歯になっている人の割合も小さく、定期的に歯科を受診し、治療を受けることの大切さを示しています。

 
歯周病は心筋梗塞や脳梗塞になる危険性を高める恐れがあります。歯周病がひどくなると、歯茎からウミが出ます。そこから歯周病菌や、炎症を引き起こす物質が歯茎の血管内に入り込み、体中を駆け巡ります。やがて心臓や脳の血管に達し、心筋梗塞や脳梗塞のような血管の病気を引き起こすことがあるのです。

 
歯周病の人は心筋梗塞などの致命的な心臓の血管の病気が1・5倍、脳梗塞を含む脳卒中は約3倍増えるという研究もあります。このため、歯周病を防ぐことは、糖尿病の悪化を抑え、心筋梗塞などの予防につながることが期待できる、と言えます。そのことをぜひ認識し、歯磨きや定期的な歯科健診などの口腔ケアを心がけて下さい。