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旧未分類 | 2009年01月28日

口唇裂・口蓋裂の治療で札医大、チームつくり患者に対応/北海道

生まれつき、上唇や口の中の上部が割れた口唇裂(こうしんれつ)や口蓋裂(こうがいれつ)は、複数の診療科での治療が必要になる。札医大病院(札幌市中央区)は昨年10月から、形成外科を中心に、歯科口腔(こうくう)外科、耳鼻咽喉(いんこう)科、小児科、リハビリテーション科の5科で治療班をつくり、チームで治療に当たっている。「口唇裂や口蓋裂は一つの科だけでは治療できない」と、治療班リーダーの四ッ柳高敏さん(46)=形成外科教授=。 チーム医療開始に当たり、各科で担当医を決めた。出生から高校生まで患者の成長に応じた治療の流れを作り、各患者の統一した治療方針を決める症例検討会の態勢も整えた。 「専門的な施設で一貫したすべての治療が受けられるのは患者にとって恩恵が大きい」 口唇裂や口蓋裂は、500−600人に1人の割合で生まれる。ほとんどの場合、明確な原因が分からないという。外観に加え、食事、発声、かみ合わせなどに問題を抱える。
 治療の中心となる形成外科は、手術で外観や機能の修復を図る。
 口唇裂の場合、札医大では生後3−6カ月ごろ、対称的な上唇と鼻の形を同時に作る手術を行う。食事や正しい発声ができるよう割れた筋肉も再建する。成長に応じて修正手術を行うこともある。
 口蓋裂の場合、札医大では1歳3カ月−1歳6カ月ごろ、口と鼻を隔てる口蓋の裂けた部分を閉じる手術を行う。割れた筋肉もつないで再建。歯科口腔外科で行うこともある。
 口蓋裂の子は、中耳炎になりやすいため耳鼻咽喉科で治療を受ける。手術を受けても鼻から空気が抜けて、「ぱ」行や「は」行などがうまく言えない子は、リハビリテーション科で言語聴覚士による言語訓練が必要だ。
 体や心の発育や発達の問題は小児科、歯並びやかみ合わせは歯科口腔外科が担当する。
  四ッ柳さんは「治療技術が進歩し、良いタイミングで適切な治療を受ければ、外観、かみ合わせ、言葉などは正常になる。治療を終えた方でも種々の修正術が可能だ。5科の連携で、よりよい治療を提供したい」と話す。