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旧未分類 | 2009年04月25日

歯の本数、健康に比例 脳神経疾患の人ほど残り少ない傾向/山梨県

よくかみ脳刺激、認知症予防も 県歯科医師会調査 アルツハイマー病など脳神経の疾患を抱えている高齢者ほど、残された歯の数が少ないことが県歯科医師会の調査でわかった。同会は「健康を維持するためには、歯を大切にし、しっかりかんで食べることが大切」と呼びかけている。
 調査は、県内の市町村の国民健康保険に加入している65歳以上の男女のうち、2007年12月に歯科を受診した人で、同年5月か12月に別の診療科にもかかった(重複含む)計1万2,694人を対象に実施した。
 人間の歯は最大32本ある。歯科のみを受診した人(1万4,685人)の平均残存歯数は16.1本だった。一方、歯科と別の診療科の両方を受診した1万2,694人のうち、アルツハイマー病患者(86人)の平均は12.8本と最も少なく、パーキンソン病(187人)が14.4本だった。骨折(299人)が14.8本、脳血管疾患(1,295人)が14.9本だった。
 食べ物をよくかむと、脳の血管が刺激されて血流量が増えるため、脳細胞の働きが活発化され、認知症予防につながり、つばに含まれる老化を抑制するホルモンの分泌も多くなるという。一方、歯が少ない人ほど食べ物を丸のみしやすい。
 東北大歯学部の渡辺誠・客員教授(加齢歯科学)によると、近年、歯の喪失とアルツハイマー病との関連を示唆する研究報告が相次いでいるという。渡辺教授は「物をあまりかめない人は、アルツハイマー病を引き起こすとされる、脳内の海馬周辺の萎縮(いしゅく)が見られる傾向がある」と指摘する。
 骨折との関連について、県歯科医師会の一瀬秀文・専務理事は「歯が少ないと、つまずくなどしてバランスを崩した時に食いしばって踏ん張れないため、転倒して骨が折れてしまうことが多い」とみている。
 調査では、歯が多く残っている人ほど身体の病気に費やす医療費が少ないこともわかった。1万2,694人のうち、患者1人あたりの1か月の平均医療費は、歯が20本以上の人は1万7,583円だったが、5〜9本の人は2万1,799円、0〜4本の人は2万4,976円だった。
 一瀬専務理事は「80歳まで20本の歯を残せるよう、日頃から手入れを怠らないでほしい」と話している。