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旧未分類 | 2009年06月11日

歯周病 早産のリスクに*道医療大・古市教授ら研究*炎症性物質が引き金に*妊娠前からのケア必要

口の中だけの病気と思われがちな歯周病が、早産や赤ちゃんの低体重に影響しているとする研究が国内外で進んでいる。早産予防のために妊婦の歯科検診に取り組む自治体も出てきた。重い歯周病の場合、妊娠中だと治療が難しい場合もあるため、関係者は「妊娠前からのケアが大切」と呼び掛けている。(北海道新聞古川有子)
 
 なぜ歯周病が早産に関係あるのか。古市教授は「歯周病菌に感染すると、炎症性サイトカインが過剰に出されること」が原因とみる。炎症性サイトカインは炎症を促進する細胞間伝達物質で、炎症部分から血管にも入り込む。妊娠中に炎症性サイトカインの血中濃度が高くなると、それが「出産開始の合図」にもなり、陣痛や子宮筋の収縮などが起こるとみられる。
 
 妊娠中はつわりで歯みがきができなかったり、唾液が減るなどして歯周病症状が出やすいと言われる。しかし、妊娠中は薬の服用やX線撮影を伴う重い歯周病だと、治療が難しい場合もある。
 札幌市立大学看護学部の村松真澄・講師は「歯周病は、糖尿病との関連が指摘されるなど、全身にかかわる病気ということがわかってきている。妊娠前から検診や正しい歯みがきで口の中の環境を整えてほしい」と話す。