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旧未分類 | 2009年08月07日

東京理大など、マウスの歯、完全再生、外部刺激にも応答。

東京理科大学と大塚ホールディングスグループで再生医療向け医薬品を手掛けるオーガンテクノロジーズ(東京・千代田、朝井洋明・社長)などは共同で、物がかめるほど硬く、外部刺激も感じる歯の再生にマウスで成功した。生体内で機能を持つ器官を完全に再生できたのは世界で初めてという。研究成果は4日付の米科学アカデミー紀要で発表する。
 研究グループは、マウスの胎児から採った歯胚(しはい)細胞と呼ぶ歯のもととなる幹細胞を1度バラバラにして2種類に分けた後、コラーゲン中に高密度に注入。奥歯を抜いた後に歯茎の中の骨に小さな穴を開け、埋め込んだ。50日後には横幅1ミリメートル、高さ1ミリメートルの大きさで、かみ合わせができる硬い歯が生えてきた。
 痛みを感じるかどうか調べたところ、マウスの脳内で痛みを感じる時にできるたんぱく質の量が刺激に伴って増えることがわかった。完全な機能を持つ歯は神経とつながっており、痛みや圧迫などの刺激を脳に伝えることができる。
 「インプラントを使う治療法では神経伝達機能を回復できないのが課題だが、再生歯で取り戻せる可能性も出てきた」(東京理大の辻孝・教授)という。
 ただ、ヒトでの応用にには課題がある。マウスの50日はヒトの5年に相当するため、時間短縮のための成長因子などが必要になるという。研究チームは今後、免疫による拒絶反応を抑えるために、患者自身の歯にある幹細胞の利用を検討していく。
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