インプラントの基礎的知識 編|岩見沢市の歯医者|みしま歯科医院

インプラント治療について TOPICS

インプラントの基礎的知識 編

インプラントとは?

インプラント(Implant)とは、医学英語で「植立すること」を意味しており、一般的には体の中に埋め込むもの全般のことを指します。たとえば、心臓のペースメーカーや人工関節なども、インプラントのひとつです。歯がなくなったところに埋め込むインプラントは、正確にはデンタルインプラントといいます。

インプラントの歴史?

インプラント治療の歴史は古く、インプラントかおる程度成功したと思われるものでは、7世紀のマヤ文明において、20歳台の女性の骨に、貝でできたインプラントが発見されています。このインプラントには歯石がついており、インプラント周囲に骨形成の跡も確認できています。

インプラントのメリット

1, 自分の歯と同じように噛むことができる

インプラントは硬い顎の骨と結合するため、揺れたり動いたりしません。ですから、硬いものを噛んでも痛みを感じることなく、自分の歯があったときと同様にしっかり噛むことができます。

2,口の中の異物感がない

インプラント治療では、多くの場合固定性となり、取り外し式の入れ歯の床(ピンクの部分)がありません。そのため口の中では、元々自分の歯があったときと同じように感じ、異物感がないのです。

3,隣の歯を削る必要がない

歯を失った場合、そこを補う方法として、①入れ歯、②ブリッジ、③インプラントがあります。ブリッジは隣の歯を削る必要がありますが、インプラントであれば、隣の歯を削る必要がなく、歯を長持ちさせることができます。

4,オプションの種類が多い

インプラント治療は、歯が1本欠けた場合からすべてなくなった場合まで、対応が可能です。

インプラントを固定源として入れ歯を使用するなど、さまざまな形でインプラントを応用した治療が可能です。

5、長期間の仕様が可能

自分の歯に被せ物をしたときや、ブリッジを装着したときよりも、インプラントのほうが長持ちするとされています。ただし、そのためには定期的なメインテナンスが必要です。

オッセオインテグレーションとは?

現在、インプラント体の材料のひとつとして、チタンという金属が使用されています。 1952年にスウェーデンの

ブローネマルク教授は、チタンが骨と結合することを発見しました。この結合のことをオッセオインテグレーションといいます。

チタンは人体に馴染みやす<、体が拒絶反応を起こしにくい金属です。チタン表面を顕微鏡レベルでみると骨の細胞がチタンに絡みついている状態になっています。

インプラントの材質

顎の骨に埋よっているインプラントは、純チタンやチタン合金、またはセラミック素材のジルコニアによって作ら

れています。

チタンはブレード1~4こ分類されており、ブレード1はチタンの純度が高く骨と結合しやすく、ブレード4は合金のため強度に優れています。チタンはアレルギーの出にくい金属ですが、極まれにアレルギーが出る場合もあります。その場合はジルコニア(非常に硬いセラミック)製のインプラントを使うことで、インプラントを入れることができます。

ただし、チタンアレルギーの患者さんのために用意をしている医院もあります(日本では不認可)。

インプラントの種類

インプラントは、構造の違いからツーピースタイプワンピースタイプのものとに分けられます。

ツーピースタイプは、インプラントの上にさまざまな土台(アバットメント)があり、インプラント本体の方向と

被せ物の方向が異なる場合などに有利です。

ワンピースタイプは、土台(アバットメント)一体型で、インプラントの方向と被せ物の方向が一致している場合に利点があります。

インプラントの構造

ツーピースタイプのインプラントの基本的な構造は、上部構造(人工歯・被せ物)、アバットメント(上部構造を支える土台)、インプラント(人工歯根)の3つのパートから構成されます。

ワンピースタイプの場合は、インプラントとアバットメントが一体化しています。

インプラントの寿命

インプラントの寿命に関しては、はっきりと明記した論文はありません。しかし、研究によると10~15年の寿命(生存率:10~15年後に使えている確率)は、上顎で約90%、下顎で約94%となっています。この結果は、天然歯に対する治療に比べるとかなり長い寿命といえます。(ブリッジで約8年、クラウン(銀歯)で約7.1年と言われています)

インプラント治療は、確実な治療法であることがすでに証明されています。

インプラントと天然歯の違い

元々の自分の歯(天然歯)は、歯と骨との間に歯根膜があり、その膜かあるおかげで、ものを噛んだときに圧力を感じることができます。しかし、インプラントには歯根膜がなく、骨と直接結合しているため、圧力を敏感に感じにくい傾向かあります。

ショートインプラントとは?

ショートインプラントとは、長さが8mm以下の短いインプラントのことをいいます。現在では、インプラントが骨に結合しやすいよう、インプラント表面の粗さや特徴の研究がされているため、ショートインプラントは問題がないとの報告があります。

HAインプラントとは?

HAインプラントとは、インプラント体の表面にHA(八イドロキシアパタイト)をコーティングしたインプラントです。 HAは骨の主成分でもあるので、骨との早い結合が得られるという特徴があります。

インプラントの生産・輸入数量

平成25年薬事工業生産動態統計調査の結果では、平成15年と平成25年での歯科用インプラント材の生産・輸入数量を比較すると、10年間で約2倍になっていることがわかります。今後も数量が伸びていくことが予想されます。