抗菌薬は痛み止めのように一度服用するだけでよいかというと、それは間違いです.
抗菌薬を服用すると吸収されて血中濃度が上昇ピークに達し、そこから漸減されていきます。血液中に溶け込んで、有効な濃度で有効な時間を維持しないと効果はありません。毒性発現を最小に抑えつつ、最高効果を得るように考えて処方します。以下の2つのタイプがあります。
①時間依存性抗菌薬:薬剤が細菌の発育阻止最小濃度以上を長く保つことで効果が得られるような薬剤は、1日の投与総量が同じならば、小分けにして投与することで効果を保つことができます。1日当たり3回(約8時間おき)といわれたら、食事の時間を意識して守ってください(サワシリン、フロモックス、ケフラールなど)。
②濃度依存性抗菌薬:小分けにするよりもまとめて1回投与するほうが、高い濃度が得られて、抗菌効果があります(ジスロマック、クラビットなど)。
薬剤に応じて適切に服用しないと、効かなかったり耐性菌を増やしてしまうことがあります。正しく服用してください。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之