フッ化物の人体への影響は?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

お口の最新情報 TOPICS

フッ化物の人体への影響は?

フッ化物は、人体への害があると言われていますが、どのような影響がわかっているのかを教えてください。

急性中毒と慢性中毒がありますが、適正に使用すれば問題ありません。

フッ化物の人体への影響には、大量過剰摂取による急性中毒と慢性的な過剰摂取による慢性中毒があります。急性中毒の症状としては、吐気、嘔吐、腹痛などの胃腸症状が中心となります。慢性中毒としては、歯のフッ素症や骨フッ素症があります。しかし、わが国の2015年度の上水道の普及率は97.9%で、飲料水のフッ素濃度は0.8 mg/L以下と規定されているため、飲料水による慢性中毒はほぼみられません。

フッ化物のう蝕予防法には、全身応用法と局所応用法がありますが、現在、わが国で行われているのはすべて局所応用法です。局所応用法には、フッ化物歯面塗布、フッ化物洗口およびフッ化物配合歯磨剤の使用があり、フッ化物歯面塗布がもっとも高濃度のフッ素を使用します。フッ化物の急性中毒量はヽ2 mg F/kgや5 mg F/kg)とされています。体重20 kgの小児の場合、歯面塗布に用いられる2%NaF塗布液を11.1mL摂取すると5 mg F/kgとなりますが、通常、フッ化物歯面塗布に使用される量は2mL以内なので、通常の使用において急性中毒を起こすことはありません。

また、水道水フロリデーションなどのフッ化物の応用により、先天異常や骨肉腫をはじめとするがんを誘発するという報告がありましたが、これまでの研究において、フッ化物応用におけるフッ化物の摂取と先天異常やがんとの関連性は認められていません。

 フッ化物の応用は非常に有効なう蝕予防法です。適正に使用している限り、特に問題となることはありません。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之