キシリトール入りのガムには多くの種類がありますが、市販品や歯科専売品ではどのような違いがあるのでしょうか?
歯科専売品は市販品と比べて、う蝕予防効果の向上が期待されます。
チューインガム(ガム)は、主に味と爽快感を楽しむための嗜好品として消費されていましたが、国民の健康意識の高まりを受けて1990年頃から、砂糖に代わり代用甘味料が添加された製品が数多く販売されるようになりました。
ガムに添加される代用甘味料としては、キシリトール、ソルビトール、アスパルテームなどがありますが、これらの甘味料はプラーク中の細菌による発酵性が低く、う蝕の原因となる有機酸がほとんど産生されません。さらに、ガムを噛むことで唾液の分泌が促進することから、代用甘味料を含むガムの常用によってう蝕が予防されると考えられており、実際にその効果を確認した多くの疫学研究があります。
代用甘味料にはそれぞれ甘さに違いがあります。多くのガムでは、複数の代用甘味料がさまざまな割合で配合されていますが、その理由の一つは、人々の嗜好に合う甘さにするためと思われます。
また、最近では、代用甘味料だけでなくエナメル質の再石灰化を促進させる物質として、リン酸化オリゴ糖カルシウム(POS-Ca)やカゼインホスホペプチド(CPP-ACP)を加えたガムも市販されています。歯科専売品のガムには、これらの成分やキシリトールの配合割合を高めたものやフツ化物を加えたものがあり、う蝕予防効果の向上が期待されています。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之