タバコ:禁煙後にできた口内炎への対応は?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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タバコ:禁煙後にできた口内炎への対応は?

ニコチンパッチを使って禁煙を始めた方から、禁煙後に口内炎ができたという相談を受けました。どのように対応すればよいでしょうか?

ニコチンパッチの副作用ではないことを伝え、禁煙の継続を促しましょう。

習慣的に喫煙している人の体内には、つねに一定量の二コチンが存在します。タバコをやめると二コチンが身体から徐々に抜け、タバコによりダメージを受けていた組織や機能が正常に回復していきます。その過程で現れるさまざまな症状を、禁煙離脱症状(タバコの禁断症状)といいます。

禁煙後に出現する口内炎(口腔潰瘍)も、この離脱症状のーつであると考えられています。ニコチンパッチを使用したことによる副作用ではありません。禁煙を開始した大のうち約40%に発症するといわれており、ほとんどの場合、禁煙を始めて2週間以内に現れます。

なぜ禁煙後に口内炎ができやすくなるのかはよくわかっていませんが、仮説としては、タバコ成分による口腔粘膜上皮の角化や抗菌作用が潰瘍形成に抑制的にはたらいている、禁煙後のストレスにより免疫反応が低下する、などが報告されています。

重症化する症例は少なく、多くは1ヵ月以内に治癒します。口内炎は痛みをともなうため、喫煙再開のきっかけとなりやすいですが、このような説明を行い、引き続きニコチンパッチを使用して、禁煙を継続してもらうようアドバイスをしてください。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之