Q:歯医者さんで歯石を取ったら血が出た!きっとヤブ医者だ・・・。
歯科医院で歯石を取ったら血が出て驚いたんだね。でも、逃げ出すことはないよ。歯石を取るとき、炎症を起こした歯ぐきから多少血が出るのはめずらしくはないんだ。だって、腫れた歯ぐきからは歯みがきするだけで血が出ることもあるでしょう?
歯石とは、プラークが石灰化したもの。プラークは歯ブラシで落とせるけど、歯石になってしまうと歯にこびりついて歯ブラシでは取れなくなるから、歯科医院で取ってもらうしかないんだ。
歯石にはじつは軽石状に穴が開いていて、これはプラーク中の細菌にとって格好の溜まり場。それで歯石の周りの歯ぐきが炎症で腫れ、歯と歯ぐきとの間に歯周ポケットができるんだ。ここにまたプラークが入り込み、固まって歯石になり、さらにプラークが溜まる……と悪循環に陥る。こうして歯周病が進行するんだ。
歯周病の悪化を止めるためには、このプラーク中の細菌の溜まり場、歯石を取り除かなければいけない。みなさんも見たことがあると思うけど、歯科医院ではスケーラーという器具で歯石を取るんだ。で、このときに少々血が出ることがある。歯石の周りの歯ぐきは炎症を起こしているから、歯石を取るときに少しの刺激でも血が出るんだね。血が出るのはいやだろうけど、このまま放っておいたらついには何もしなくても血や膿が出たり、歯がグラグラになってしまう。だからプラークや歯石を取る必要がある。取れば炎症がおさまるから、出血はなくなっていくんだよ。
日本人の約50%は1日2回歯みがきをしているものの、約70%は歯周病だという調査結果が出ている。つまり、歯をみがいてはいるものの、プラークは十分除去できていないということだね。
歯科医院で定期的にプロのケアを受けてプラークや歯石を取ることももちろん必要だけど、歯石になってしまう前の日々のプラークコントロ-ルがいちばん大切なんだ。毎日のていねいなケアでプラークと歯石を溜めないお口にしていきましよう!
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之