Q:インプラントを長持ちさせる 方法は?
1,インプラント治療は、とても高額な治療法ですが、高額だからといって、メンテナンスフリーで一生歯医者いらず、というものではありません。
2,高額な治療費とそれなりの治療期間を費やしたインプラントを長持ちさせるためには、いくつかのポイントがあります。
・インプラントを長持ちさせるためには
インプラント治療は、とても高額な治療法ですが、高額だからといって、メンテナンスフリーで一生歯医者いらず、というものではありません。極端に言えば、定期検診やご自身によるメンテナンスに自信がない方には不向き
であるかもしれません。すでに歯を失ってしまった原因があるのならば、それはそのままインプラントの予後も悪くする原因でもあるのです。高額な治療費とそれなりの治療期間を費やしたインプラントを長持ちさせるためには、いくつかのポイントがあります。
☆インプラントの動揺:患者さんが感じることのできる不具合としては、まずインプラント上部構造の動揺があげられます。上部構造が動揺する原因として考えられるのは、インプラントが骨から浮いてしまっている場合と、上部構造がはずれかけている場合などが考えられます。どちらも、歯科医院で一刻も早く処置する必要があります。
☆ 悪臭や出血が起きてきた: インプラント周囲より悪臭を感じるようになったり、出血があった場合は、インプラント周囲炎が原因となっている場合があります。 すべて口の中の細菌が繁殖したことで起こりますので、担
当医による診断の上、何らかの処置が必要となります。原因としては、ブラッシングの不良、長期間にわたる食べ
物の滞留、上部構造の緩み、インプラントの破折、糖尿病の方ならば全身状態の悪化、などが考えられます。その原因を除去することで炎症は治まります。
☆上部構造が欠けてきた(チッピンク):金属のみで上部構造を作製した場合は欠けてくることはありませんが、通常インプラントには、セラミック(陶器)かハイブリッドセラミック(陶器とアクリル樹脂を併用したもの)で作製することが多いために、このチッピングを完全に回避する方法はありません。チッピングの代表的な対処法は、上部構造と同じ白色の材料を用いた部分的な補修です。また、チッピングを放置することで知らぬ間に隣の歯との間に食べ物が残ってしまい、インプラント周囲炎の原因となることがありますのでご注意ください。
☆咬みづらいと感じる:補綴した直後には全く違和感を感じなかったものの、数日
もしくは数か月、長ければ年単位の期間ののち咬みづらいことを自覚したならば相応の処置が必要です。多くの場合、微調整で済みますが、インプラント以外の歯が崩壊してきた場合は新しい治療計画をたてることもあります。
☆咬むたびに異音がする: 食事中に「キュツ」といった異音がする場合は微調整、もしくは補修が必要となります。このような異音は、上部構造のチッピングや、他の歯が崩壊して咬み合う条件が変化した場合に起こります。異音がしたときは、何らかのサインだと思ってください。
☆顎関節症状: 両耳の穴の1~2センチほど前方に顎の関節があります。
インプラントの補綴だけに関わらず歯に何か詰め物をしてその調整が悪いと、この関節に症状が出ることがあります。代表的な症状は、①「パキ」「ジャリ」などの異音が発生する、②口を開閉するたびに痛みが生じる、③口を大きく開けられなくなる、の3つあります。第一選択としては、詰め物や被せものの調整に問題がないかを診断します。ここで異常が発見された場合は調整を行います。異常がなければ歯ぎしり等を疑い、睡眠中に装着するマウスピース(=ナイトガード)を作製することがあります。
☆見た目の変化:天然の歯と同様にインプラントもある程度の経年変化が起こります。基本的には咬むことができれば許容範囲内であります。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之