☆生活習慣病に関する疑問:Q;受動喫煙は人体にどのような影響を及ぼす?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆生活習慣病に関する疑問:Q;受動喫煙は人体にどのような影響を及ぼす?

Q;受動喫煙は人体にどのような影響を及ぼす?

A:成人・小児ともに、全身や口腔の健康への悪影響があることがわかっています。また、受動喫煙だけでなく「三次喫煙」による健康被害も示唆されています。

 喫煙者本人が吸う主流煙には発がん性物質が約70種類とニコチンが含まれます。ニコチンは、タバコを止めにくくさせたり、止める時に離脱症状を引き起こしたりする、依存性の高い化学物質です。一方、タバコの先から出てくる副流煙にも、発がん性物質やニコチン、一酸化炭素、アンモニアなどの有害物質が含まれ、それらは主流煙の数倍にもなるのです。

 この副流煙を吸い込むことを受動喫煙と言いますが、受動喫煙が成人の健康に及ぼす影響で確実とされるのは、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中です。日本では、1年間に1万5千人が、受動喫煙が原因の肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、SIDS(乳幼児突然死症候群)で亡くなるという推計もあります。

 小児への影響では、SIDSと喘息の既往があります。また、最近では、急性の過敏症への影響も注目されており、受動喫煙が続くと、精神的にも身体的にも刺激に対して過敏になりやすくなるとの報道もありました。

 口腔への影響では、小児のう蝕との関係がほぼ確実であると評価されています。受動喫煙のある小児は、他の原因による影響以外に、2倍近くもう蝕のリスクが増えることがわかっています。ニコチンがミュータンス菌に作用すると、歯にくっつきやすくなったり、酸を多く作るようになったり、さらにその酸が薄まらないようにバリアを強めたりすることがわかっています。成人においては、歯周病や歯の喪失のリスクを30%高めることもわかってきました.さらに、喫煙者の服や髪の毛についている有害物質や吐く息に含まれる有害物質を吸ってしまう「三次喫煙」にも注意が必要です。

 最近、日本国内で流行している加熱式タバコは、アメリカでは食品医薬品の諮問委員会の決議により販売が認められない時期もありました。呼吸器ヘの影響が懸念されています。副流煙が出ないことが特徴ですが、喫煙者の体内からニコチンが周囲に放出されているため、受動喫煙も気をつけなければなりません。大切な周りの人の健康への危険を最小限にするためにも、加熱式タバコも含め喫煙しないよう助言し、いつでも禁煙支援できることを伝えましょう。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之