☆疾患・症状に関する疑問:Q;唾液量の違いによりう蝕リスクは異なる?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆疾患・症状に関する疑問:Q;唾液量の違いによりう蝕リスクは異なる?

Q;唾液量の違いによりう蝕リスクは異なる?

A:米国における研究では、刺激唾液の分泌量が1.0mL/分以上の人と比較して、0.6mL/分以下の人ではう蝕リスクは2.4倍であったと報告されています。

 唾液には、①自然に流出する安静時唾液、②味覚や咀喘などの刺激によって分泌される刺激唾液があります。唾液分泌量はつねに一定ではありませんが、正常な場合は、安静時唾液で0.3mL/分以上、刺激唾液で1.0mL/分以上が目安とされています。安静時唾液で0.1mL/分未満、刺激唾液で0.7mL/分未満を分泌低下とみなす場合が多いようです。

 唾液の作用のうち、う蝕の予防にはたらく作用は、自浄作用のほかに緩衝作用、抗菌作用、再石灰化作用などがあります。これらの作用は唾液分泌量に依存することから、唾液分泌量が少なくなるとう蝕リスクが高くなると考えられます。
 実際、シェーグレン症候群などの疾患、抗ヒスタミン薬、降圧薬、抗うつ剤などの服用、頭頚部への放射線治療により唾液分泌能が低下した人では、う蝕の多発がみられます。

 健常な人を対象として唾液分泌量とう蝕との関連を調べた研究では、関連があったという報告と関連はなかったという報告があり、結果は一致していませんが、ここでは関連があったと報告している研究結果を紹介します。

 日本の成人を対象とした研究では、う蝕経験歯率のオッズ比を刺激唾液の分泌量で比較した結果が示されています。刺激唾液の分泌量が少なくなるにつれて、う蝕経験歯率のオッズ比が高くなる傾向がみられ、3.5mL/分超の人のオッズ比を1.0とすると、2.5mL/分以下の人のオッズ比は約1.8でした。
 また、米国における歯科医院を受診した患者のデータを分析した研究では、刺激唾液の分泌量が1.0mL/分以上、0.6~1.0mL/分、0.6mL/分以下と少なくなるにつれて、過去2年開に歯冠部う蝕と診断された平均歯数が1.4、1.5、1.7と増加する傾向がみられました。この傾向は65歳以上の人において顕著となり、う蝕発症のリスクは、刺激唾液の分泌量が1.0mL/分以上の人と比較して、0.6mL/分以下の人では2.4倍であったと報告されています.
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之