☆疾患・症状に関する疑問:Q;思春期の口臭はホルモンに関係する?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆疾患・症状に関する疑問:Q;思春期の口臭はホルモンに関係する?

Q;思春期の口臭はホルモンに関係する?

A:思春期が口臭を増強させるという明確なエビデンスはありませんが、月経が関係する可能性は示唆されています。ただ、口腔内が清潔であれば問題ありません。

 思春期は第二次性徴期とほぼ同義で、外形的変化とともに下垂体より分泌された性腺刺激ホルモンが男性は精巣、女性は卵巣に作用し、それぞれから男性ホルモン、女性ホルモンが優位に分泌され、いわゆる「男性らしさ」「女性らしさ」が強調されるようになります。
 思春期を迎えると、アポクリン腺の発達により体臭が発生してきますが、同様に口臭も発生してくると思われがちです。しかしながら、思春期というイベントそのものが直接口臭を増強させるという明確なエビデンスはありません。

 6歳から16歳までの小児集団101名を対象とした疫学調査では、女児、口腔清掃不良あるいは年齢が13歳以上の者は口臭原因物質である口腔内揮発性硫黄化合物(VSC)濃度が高くなる傾向が認められました。この結果から、思春期以降の女性特有の生理現象である月経が口臭強度に影響していた可能性が示唆されます。

 月経周期とVSC濃度の変動には明確な関連性が報告されています。月経期間中の健康な女性5名(21~30歳)を被験者として、VSC濃度と血中ホルモン濃度の関連を調べた研究では、月経期間中にVSC濃度が上昇し、さらにそれが排卵前のエストロゲン濃度の上昇と対応していることがわかりました。

 また、月経期間中の22~37歳の歯周炎の女性10名と健康な女性12名について調べた研究では、どちらもVSC濃度が排卵期に有意に増加しましたが、歯周病患者のほうがよりVSC濃度が高くなる結果となりました。女性ホルモンと歯周病の有病率増加との関連性は多くの報告があり、妊娠性歯肉炎もこれにあたります。

 したがって、思春期に口臭が増強するとすれば、それは女性ホルモン由来の歯周病に起因するものであると考えられます。しかし、基本的には清潔な口腔内では起こらないか、起こっても軽度ですむので、口臭予防のためにはプラークコントロールの徹底と舌清掃指導など従来の生理的口臭への対応で十分でしょう。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之