☆検査・処置に関する疑問:Q;スケ一リングで歯(歯冠および歯根)の表面は影響を受ける?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆検査・処置に関する疑問:Q;スケ一リングで歯(歯冠および歯根)の表面は影響を受ける?

Q;スケ一リングで歯(歯冠および歯根)の表面は影響を受ける?

A:歯石を落とすための超音波スケーラー、手用スケーラー(キュレットタイプ)、どちらを使用した場合もエナメル質や歯根の表面形状は変わります。

 エナメル質については、研究が少ないのですが、上顎中切歯と第一小臼歯を使った研究を紹介します。歯面への影響は、表面粗さ(Ra)で評価しています。 Raとは、表面に生じた多くの微小な凸凹の垂直距離(深さ)をすべて測定して、それを平均した値です。単位はμm(1ミリの1/1000)で、Raが低いほど表面は平らで滑らかです。超音波スケーラー(15回ストローク)の場合、Raは処置前の0.466μmから処置後は7.320μmまで増加しました。

 また、同じストローク数で手用スケーラーを使った場合は0.483μmから5.865μmに増加しました。

 一方、歯根についての研究は古くからあります。一定の圧力で操作できる機械を使って、下顎前歯の歯根表面の同じ部位を12回ストロークして、どれくらい深くまで歯質が削られたのか測定した研究があります。この評価法はRaでの評価よりもイメージしやすいですね。その結果、超音波スヶ-ラーでは11.6μm、手用スケーラーでは108.9μmでした。小臼歯を使ってRa値(表面粗さ)を求めた研究もあります。手用スケーラー(8~10ストローク)の場合は2.24μm、同ストロークで超音波スケーラー使用の場合は、出力の違いでやや異なりますが、約1.5~3.0μmでした。

 使った歯種、操作の条件(超音波スケーラーや手用スケーラ一の種類、圧力)、評価方法などが研究によって異なるので、数値そのものにこだわる必要はありませんが、1回のストロークで数μmの傷ができていると考えられます。
 ちなみに歯頚部のセメント質の厚さは20~50μmです。すべて抜去歯を使っての実験なので、実際の口腔内でも同じことが起こるとは限りません。とはいえ、機械や器具を正しく操作し、不必要に何度も歯面をストロークすることは控えなくてはなりません。

日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之