1,口の中は細菌が繁殖するにはぴったりの条件がそろっているため、天然の歯と同様に、インプラントでもメンテナンスが必要です。
2,インプラントに悪い影響を与える因子としては、細菌による影響だけでなく、歯ぎしりや咬んだ力による影響もあります。
・口の中の細菌が繁殖する
天然の歯と同様にインプラントにもメンテナンスが必要です。その理由は、口の中は細菌が繁殖するにはぴったりの条件がそろっているからです。
・口の中でばい菌(=細菌)が繁殖したときは
真夏のように暑くて、しょっちゅう食べ物が供給されて、暗くてジメジメした場所ですから、常に細菌は増殖し続けます。指を切ってしまったり膝をすりむいたときには、ばい菌をそのままにして繁殖させてしまうと、傷口は腫れたり痛くなったりして治らなくなってしまいます。口の中でばい菌(=細菌)が繁殖した場合はどうなるでしょう。天然の歯とインプラントで同じように起こることは歯肉の炎症です。天然の歯では起こる炎症を歯周炎、病名としては歯周病といいますが、インプラントの場合の炎症は「インプラント周囲炎」と呼んでいます。炎症が起きても初期のうちは患者さんは何も感じませんが、放置することでインプラントの周囲でジワジワと悪化していくことになります。
・歯ぎしりや咬んだ力による影響も大きい
インプラントに悪い影響を与える因子としては、細菌による影響だけでなく、歯ぎしりや咬んだ力による影響もあります。天然の歯でも歯ぎしりをする患者さんは全く虫歯のない歯が睡眠中に割れてしまったり、銀歯(クラウ
ン)が土台ごとはずれてしまったりすることが頻繁に起こります。インプラントは、食事をするには十分以上の強度を備えていますが、睡眠中、患者さん自身が力のコントロールができない状況では、インプラントを急激に痛めてしまうことがあります。しかしながら、多くの患者さんは歯ぎしりをしていることを自覚していません。そのため、歯ぎしりがある患者さんについては、特に定期的なチェックが必要です。また、歯ぎしりをする患者さんは、睡眠中の力のコントロールのためにナイトガードというマウスピースを毎晩着用していただくこともあります。
・チッピングした歯を放置しない
チッピングといって、最終的なかぶせた歯の一部がかけてくることもあります。チッピングした歯を放置すると食べ物がはさまったままになる危険性があるために、やはり定期的なチェックを行って補修しなくてはいけません。
1,インプラント治療後は、定期的に歯科医院にて検診とグリーニングを行う必要があります。
2,定期検診の周期は、医院によって若干差がありますが、通常3~6か月ごとに行われます。
・定期的に検診とクリーニングを行う必要がある
定期的に歯科医院にて検診とクリーニングを行う必要があります。これは、インプラントに限ったことではなく、虫歯が1本もない健康な歯をお持ちの方にもいえることです。日本では、欧米に比べて健康保険である程度までの治療を安価に受けることができるため、歯の健康に対する意識が低いといわれています。欧米には、例えば半年に1回、家族みんなで歯科検診に行くことが年中行事のように行われている国もあります。インプラントは、チタン合金、セラミック、ジルコニア等でできているために、二度と虫歯になることはありませんが、インプラント周囲炎が起こらないように、常に細菌が増えないように、ブラッシングに気をつける必要があります。インプラント治療は、高額なうえに相応の通院回数も必要になります。そこで、さらに定期検診まで義務づけられるとなると、治療に躊躇してしまう患者さんもおられることでしょう。定期検診を受けることに自信が持てない方は、現時点ではインプラント治療に不向きなのかもしれません。しかしインプラント治療後に定期検診が義務づけられたことによって歯の健康に対する意識が高まり、インプラント以外の天然歯も歯周病や虫歯の悩みから開放された患者さんが数多くおられることも事実です。
また、歯を失う原因として歯ぎしりが大きな問題としてクローズアップされてきています。歯ぎしりによる歯の崩壊は患者さん自身では気づかないことが多いですから、より検診の重要性は高まってきています。
・定期検診の周期は通常3~6か月ごとに行われることが多い
定期検診の周期は、医院によって若干差がありますが、通常3~6か月ごとに行われます。歯科医師は歯だけでなく口の中の粘膜疾患も対象ですので、頬や唇の粘膜、舌の粘膜、口臭の変化などのためにも定期検診は有効です。
また、全身状態の変化(糖尿病、血圧、脳梗塞等の新たな疾患、体重の変化)、生活の変化(引越、家族構成、職業等)といったこともとても重要なファクターですが、すべてのことを事細かに毎回歯科医師から尋ねられることはないと思われますので、患者さんの判断で随時担当医に伝えるようにしてください。
特に前回の検診日との間に他の病気や怪我で入院や手術をしたり、全身状態が急変した場合は、必ず報告すべきでしょう。インプラントを長持ちさせるためには歯科医師や歯科衛生士だけでなく、患者さん自身が積極的に参加していく必要があるのです。
・保証期間があるときは定期検診を受けていることが保証の条件
インプラント治療に対して「○年保証」といった保証期間を設けている医院も増えてきました。保証期間がある場合は、必ず定期検診を受けていることが保証の条件となっていることがほとんどです。何年も異常を放置したり、ブラッシングが悪い状態のままクリーニングを行わなかったりしては、トラブルの原因を自らつくってしまっているようなものです。
・引越しのために通院が困難になったときは
最も安心なのは、担当医に引越先から通院できる医院を紹介していただくことです。紹介してもらえなかった場合は、電話等で問い合わせたうえで通院を開始すればよいでしょう。海外でインプラント治療を受けられた患者さんが、国内で定期健診とメンテナンスを続けることも珍しくありませんからご安心ください。
1,インプラント治療は、とても高額な治療法ですが、高額だからといって、メンテナンスフリーで一生歯医者いらず、というものではありません。
2,高額な治療費とそれなりの治療期間を費やしたインプラントを長持ちさせるためには、いくつかのポイントがあります。
・インプラントを長持ちさせるためには
インプラント治療は、とても高額な治療法ですが、高額だからといって、メンテナンスフリーで一生歯医者いらず、というものではありません。極端に言えば、定期検診やご自身によるメンテナンスに自信がない方には不向き
であるかもしれません。すでに歯を失ってしまった原因があるのならば、それはそのままインプラントの予後も悪くする原因でもあるのです。高額な治療費とそれなりの治療期間を費やしたインプラントを長持ちさせるためには、いくつかのポイントがあります。
☆インプラントの動揺:患者さんが感じることのできる不具合としては、まずインプラント上部構造の動揺があげられます。上部構造が動揺する原因として考えられるのは、インプラントが骨から浮いてしまっている場合と、上部構造がはずれかけている場合などが考えられます。どちらも、歯科医院で一刻も早く処置する必要があります。
☆ 悪臭や出血が起きてきた: インプラント周囲より悪臭を感じるようになったり、出血があった場合は、インプラント周囲炎が原因となっている場合があります。 すべて口の中の細菌が繁殖したことで起こりますので、担
当医による診断の上、何らかの処置が必要となります。原因としては、ブラッシングの不良、長期間にわたる食べ
物の滞留、上部構造の緩み、インプラントの破折、糖尿病の方ならば全身状態の悪化、などが考えられます。その原因を除去することで炎症は治まります。
☆上部構造が欠けてきた(チッピンク):金属のみで上部構造を作製した場合は欠けてくることはありませんが、通常インプラントには、セラミック(陶器)かハイブリッドセラミック(陶器とアクリル樹脂を併用したもの)で作製することが多いために、このチッピングを完全に回避する方法はありません。チッピングの代表的な対処法は、上部構造と同じ白色の材料を用いた部分的な補修です。また、チッピングを放置することで知らぬ間に隣の歯との間に食べ物が残ってしまい、インプラント周囲炎の原因となることがありますのでご注意ください。
☆咬みづらいと感じる:補綴した直後には全く違和感を感じなかったものの、数日
もしくは数か月、長ければ年単位の期間ののち咬みづらいことを自覚したならば相応の処置が必要です。多くの場合、微調整で済みますが、インプラント以外の歯が崩壊してきた場合は新しい治療計画をたてることもあります。
☆咬むたびに異音がする: 食事中に「キュツ」といった異音がする場合は微調整、もしくは補修が必要となります。このような異音は、上部構造のチッピングや、他の歯が崩壊して咬み合う条件が変化した場合に起こります。異音がしたときは、何らかのサインだと思ってください。
☆顎関節症状: 両耳の穴の1~2センチほど前方に顎の関節があります。
インプラントの補綴だけに関わらず歯に何か詰め物をしてその調整が悪いと、この関節に症状が出ることがあります。代表的な症状は、①「パキ」「ジャリ」などの異音が発生する、②口を開閉するたびに痛みが生じる、③口を大きく開けられなくなる、の3つあります。第一選択としては、詰め物や被せものの調整に問題がないかを診断します。ここで異常が発見された場合は調整を行います。異常がなければ歯ぎしり等を疑い、睡眠中に装着するマウスピース(=ナイトガード)を作製することがあります。
☆見た目の変化:天然の歯と同様にインプラントもある程度の経年変化が起こります。基本的には咬むことができれば許容範囲内であります。
1,歯科医師や歯科衛生士が考える歯磨きは、常に口の中を細菌の増殖しにくい環境にするためのものなのです。
2,インプラントの一本一本の生え際は断面が円形ですから、円周全体を磨き上げるにはいろんな方向から磨く必要があります。
3,インプラントがインプラント周囲炎とならないためにはその生え際の磨き方が最も大事です。
・歯科医師や歯科衛生士が考える歯磨きは
インプラントを長持ちさせるためには正しいブラッシングを行い、常に細菌数を少ない状態に保ってインプラント周囲炎が起こらないようにしなくてはなりません。とはいっても、天然の歯も磨かなければ歯周炎が起きて歯が抜ける原因となりますので、インプラント治療をしたから余計な面倒がかかる、というわけではありません。歯磨きをする目的として、「口臭などで周りの方に迷惑をかけないように」といったエチケットを主眼においてされている方も多いかと思います。ところが、歯科医師や歯科衛生士が考える歯磨きは、物理的に汚れを除去し、細菌の繁殖しにくい環境にするためのものなのです。 1回の歯磨きを最低何分しましょう、といった標語もありますが、歯磨きの時間は短いよりは長いほうがよいとしても、時間だけでその効果が現れるわけではありません。相応のハミガキテクニックを教わりましょう。
・インプラント周囲炎とならないためには
インプラントがインプラント周囲炎とならないためにはその生え際の磨き方が最も大事です。極端な言い方をすれば、上部構造のほとんどはセラミックや金属でできていて、しかも炎症を起こす場所である歯肉とも接していませんので、ブラッシングする必要性は生え際よりもずっと低いのです。歯磨き、というと「歯」そのもの、すなわち歯の白い部分全体を磨くものだという意識があるのかもしれません。インプラントの一本一本の生え際は、断面が円形になっています。断面が円ですから、円周全体を磨き上げるためにはすべての方向から磨く必要があります。
・歯ブラシ以外の清掃器具というのは
そのほとんどは、一般的な歯ブラシで磨くことができますが、インプラントの埋入状況によっては、歯ブラシ以外の清掃器具を使う必要があります。歯間ブラシ・デンタルフロス・電動歯ブラシ・タフトブラシ。どれも強く磨きすぎると歯肉を傷つけることがあります。使用上のポイントは、歯肉に接触している部分の細菌を除去することです。とても難しいのですが、歯肉には傷つけないように、かつキレイに磨く必要があります。
・電動歯ブラシが有効なのは
インプラントの生え際は天然の歯と比べるとずっと細くなっています。そのため、上部構造との直径の差が大きく、一般的な歯ブラシでは届かない部分もあることが多いです。そのような場合には電動歯ブラシが効果的ではな
いでしょうか。電動歯ブラシも、各メーカーが各種製品を発売していますが、インプラントのように届きにくい場所がある場合は、音波歯ブラシが有効だと思います。音波歯ブラシはブラシの毛先が届いていない場所でも、音波の力でプラーク(細菌のかたまり)を除去できるものです。もちろん万能の器械ではないですし、音波が効果を発揮する距離も限られていますので、やはり歯間ブラシやデンタルフロスとの併用が必要となります。
・歯間ブラシ・デンタルフロスの使い方は
どちらも使用方法を間違えると、必要以上に当ててしまい、歯肉を傷つけることがあります。担当の衛生士に正確な方法を教わってください。
1,インプラント周囲炎が主な病態ですが、天然の歯では、歯周病以外に虫歯、歯根破折、補綴物の脱離などが起こります。
2,インプラント治療をした部位に問題がなくても、他の歯が悪くなってしまったら、全体的な問題に発展する可能性があります。
・天然歯であるがゆえに問題がある歯が残っている
インプラント以外の歯が悪くなることは当然あります。インプラントについては、インプラント周囲炎が主な病態ですが、天然の歯では、歯周病以外に虫歯、歯根破折、補綴物の脱離などが起こります。また、天然歯であるがゆえに、患者の希望や歯の状態によって問題がある歯でも口の中に抜歯されずに残されていることも多いです。
・全体的な問題に発展する可能性
インプラント治療をした部位に問題がなくても、他の歯がさらに悪くなってしまったら、全体的な問題に発展する可能性があります。悪くなった歯の場所や状態によって異なりますが、口の中は細菌が繁殖しやすく、温度変化も零度以下(例えばアイスクリーム)から、100度近く(例えばお茶)までの幅がある常に異常が起こる可能性を持っています。
1,インプラント周囲炎とは、天然の歯に起こる炎症・歯周炎に対応した言葉です。
2,インプラント周囲炎にかかってしまった場合は、歯科医院での治療が必要になります。
・インプラント周囲炎というのは
インプラント周囲炎とは、天然の歯に起こる炎症・歯周炎に対応した言葉です。インプラントはすべて人工物ですが、だったら放置しても変化しない、というわけではありません。インプラント自体は簡単に口の中で溶けてしまったりするものではないですが、インプラントが直接接触している骨と歯肉は細菌の侵襲に対しては弱いのです。インプラントの周囲に細菌が繁殖すると、まず接している歯肉に炎症が起こります。炎症が起こった状態では歯肉の腫れ、出血、場合によっては軽い痛みが生じます。しかしこの時点ですぐに細菌が除去できれば炎症は治まり、もとの健康な状態に戻ります。細菌の除去は歯ブラシやデンタルフロスによって可能です。ですから、正しい細菌の除去法(=プラークコントロール)がなされている必要があるのです。細菌が除去できずに放置されると、炎症はインプラントの生え際からさらに深部へと進行して行きます。歯肉の直下にはインプラントを支える骨が存在しますが、骨の近くまで炎症が進行してくると数段階のプロセスを経て骨を溶かす細胞(破骨細胞)が活性化され、徐々に骨吸収が始まります。最近では、インプラントを埋入するにあたってシビアなケースでも対応できるように、長さが6ミリ以下の製品も発売されています。短いインプラントを使用した場合にほんの少しの骨吸収でも本来期待した状態と比較してリスクが増えると思われます。
・インプラント周囲炎にかかってしまったときは
定期検診や、自分によるプラークコントロールによって日々細菌の増殖は抑えられていると思いますが、もしインプラント周囲炎にかかってしまった場合は、歯科医院での対応が必要になります。
☆軽度の炎症の場合:炎症が軽度である場合は、単純にプラークコントロールの不備にようることが多いでしょう。歯科医院で残存したプラークをチェックしてもらい、より正確なブラッシングやフロスの使用法などを覚えてくださしい
☆中程度の炎症の場合: インプラント表面に歯石が付着してしまっていたり、他の歯の変化によって咬み合わせの状態が変わってしまっていたりすると、中程度まで炎症が進行します。歯科医師による歯石除去、咬み合わせの調整が必要となります。上部構造が欠けたことにより、食べ物がつまりやすくなってしまっている場合もありますので、その場所は補修してもらいましよう。インプラントのインプラント体アバットメントを結合しているネジが緩むこともあります。緩んだ隙間には細菌が繁殖しますので、締めなおす必要があります。
☆重度の炎症の場合: 骨吸収が進んでしまっていることが多いです。骨が吸収していてもインプラントが機能的に問題がなければできるだけ炎症をコントロールして、それ以上の骨吸収をストップさせる必要があります。具体的な方法はその症状によりますが、場合によっては、上部構造をすべて外して歯肉を切開し、インプラント体表面を洗浄して骨の移植を行うこともあります。
1,インプラント周囲炎が進行したまま放置されると、インプラント周囲の顎の骨に重度の炎症が起こってきます。
2,インプラントの生え際の歯肉を押すと、乳白色の膿が出てくる状態になってしまったら、できるだけ早く撤去すべきでしょう。
・インプラント周囲炎が進行したまま放置されると
インプラント周囲炎が進行したまま放置されると、インプラント周囲の顎の骨に重度の炎症が起こってきます。重度の炎症が起こった状態では、すでに広範囲に骨吸収が及び、インプラント自体も動揺し始めます。インプラントの生え際の歯肉を押すと、乳白色の膿が出てくることもあります。この状態になってしまったらインプラント自体が汚染された異物でしかありません。できるだけ早く撤去すべきでしょう。顎の骨の中に汚染されたインプラントを撤去せずにいると、さらに炎症と骨吸収が進行し、重度の感染症を引き起こしかねません。重度の骨吸収は歯を支えていた骨だけでなく、周囲の神経や筋肉まで侵して麻條や機能不全を起こした例も報告されています。
・インプラントによる感染症の自覚症状は
インプラントによる感染症の自覚症状としては、インプラントの動揺・歯肉の著しい腫れ・膿が出てくる・臭いニオイがするなどが考えられます。
・自覚症状があらわれたときの対応は
こういった自覚症状があらわれたときは、定期検診の時期でなくても歯科医院で検査をする必要があります。自覚症状のある部位はレントゲン撮影によって、骨吸収を確認します。吸収の程度によって、リカバリーできる範囲か撤去すべきかを判断します。インプラントを撤去しなくてはならない状態であっても、骨が再生することができた場合は再度インプラントが埋人できる可能性があります。
・第一選択として、まずは炎症を抑える
インプラント感染症は細菌感染ですから、炎症を抑えるためにまず細菌の除去が必要です。軽度の場合は超音波スケーラー(歯石を除去する器械)によって感染したインプラント周囲を洗浄いたします。同時に抗生物質の軟膏(ペリオクリン、ペリオフィールなどのテトラサイクリン軟膏)を同じ部位に注入します。痛みや腫れなどの急性症状がある場合は、さらに飲み薬として抗生物質と消炎鎮痛剤を投薬します。これだけの対応で治まってしまう場合は、さらに歯磨きを徹底することでインプラントを撤去することなく使用することができます。
・切開して細菌を除去する
重度の炎症の場合には、歯肉を切開して細菌を除去することになります。サンドブラスターという機械でインプラント体表面を一層削り取る治療をするほうがより効果的です。いずれにしても、切開を行う場合は十分な麻酔を効かせたうえで行いますので、処置をするにあたっての痛みはないものとお考えください。また、切開した部分は糸により縫合しますので、約1週間後に抜糸が必要になります。数か月間予後を見ていく必要がありますが、しっかりと周りの骨が再生してくる症例も報告されています。