「味覚」の100の真実?!
「味覚」の100の真実?! いくつご存知ですか?(インターネットより抜粋)
- 味覚は「基本味」とも呼ばれる5つの味質、すなわち、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味に分類される
- 基本味とは、ほかの味を混ぜ合わせて作ることのできない独立した「味」
- 味覚は、味蕾に受容体が存在するものとして定義される
- ギリシャのアリストテレスは味を塩味、甘味、酸味、苦味、厳しさ、鋭さ、荒さの7種に分類したと伝えられる
- 西洋では長く塩甘酸苦の「4基本味」説が支持され、「うま味」が基本味のひとつに認められたのは最近のこと
- うま味が発見されたのは1908年。東京帝国大学(現東京大学)の池田菊苗博士が昆布だしに含まれる味の成分「グルタミン酸」を発見し「うま味」と名付けた
- 2000年、米国マイアミ大学ニルパ・チャウダリ教授チームが、舌でうま味を感知する受容体を発見。基本味として国際的にも認知された
- 欧米の言語では「うま味」に相当する表現が存在しなかったため、日本語の「umami」がそのまま使用されている
- 現在は英語の「savory」(肉料理の風味がある)など各国の語で「うま味」を表現するようになっている
- うま味物質として、他にイノシン酸(1913年、鰹節から抽出)、グアニン酸(1957年干し椎茸から抽出)などが、いずれも日本人によって発見されている
- アミノ酸系のうま味と核酸系のうま味が食品中に混在すると、うま味は互いに味を強め合う相乗効果をもたらす性質があり、市販のうま味調味料はこれを利用している
- 東洋医学では、五行説による「五味」として甘味・鹹(塩)味・苦味・酸味・辛味があげられている
- 辛味は、生理学的には舌にある味細胞で感じる「味覚」ではなく、「痛覚」を刺激して感じる味
- カプサイシンを受け取る受容体が最近見つかったが、それは温度に応答するタンパク質であった
- 渋味は生理学的には味覚ではなく「触覚」として扱われ三叉神経によって伝えられる
- 食物を味わうときは味覚のみならず嗅覚、触覚、温度感覚なども関与し、それらを総合した感覚を「風味」と呼ぶ
- 「美味しさ」は、舌ではなく大脳皮質で認識されている
- 人間は食物を口にしたとき、それに含まれる化学物質の一部を、おもに舌にある味蕾という器官で感知している
- 舌の表面に舌乳頭と呼ばれるざらざらした小さい突起が多数存在する。味蕾はこの舌乳頭の部分に集まっている
- 味蕾は舌の表面以外に上顎の奥(軟口蓋)やのどにも分布している
- 味蕾は玉ねぎ状のつぼみのような形をしている
- 味蕾の中に味細胞があり、味細胞の底部で味神経線維とシナプスを形成して接合している
- 口に含んだ食物の分子は唾液によって味蕾の表面「味孔」に入る
- それが味細胞で感知されると、味覚神経によって脳の下部にある延髄の弧束核(こそくかく)に伝わる
- この段階で酸っぱいものに顔をしかめるなどの反射的な反応が起こり、栄養か有害かの選別が行なわれている
- 延髄を中継して味の情報が大脳皮質に伝わると、嗅覚や触覚の情報と合わせて、食欲をつかさどるホルモンの分泌、好き嫌いの判断や味の記憶形成などが行なわれる
- 唾液は、味覚をつかさどる味蕾細胞の働きを助けると同時に消化を助ける働きを果たしている
- 味細胞は約10.5日で新しい細胞に生まれ変わる
- 新生児の味蕾は、母親の胎内で妊娠7週目頃にでき始め、14週には大人とほぼ同じ構造になり、生後3カ月くらいで数におけるピークに達する
- 味蕾の数は、乳児期に約1万個。赤ちゃんは頬の内側や唇にも味蕾が存在している
- 子どもは味覚に敏感で、乳児でもすでに、甘味や塩味、うま味といった味を感じとることができ、酸味や苦味に対しては拒否反応を示すことが知られる
- ヒトの味覚は3歳までに形成されるといわれる
- 成人の味蕾は7500個ほど、高齢になると約3000個
- 味覚は本来、口に含んだ物について、栄養になる成分(甘味、旨味、塩味)か、有害な成分(酸味、苦味)があるかを即座に見分けるセンサーのような機能
- 甘味や旨味を好み、酸味や苦味を嫌う嗜好性は、人間だけでなくすべての動物に共通する
- アメーバやゾウリムシのような単細胞生物も、甘い物質には近づき、苦い物質からは遠ざかる
- 五味にはそれぞれ役割があり、「甘味」はエネルギー源である糖の存在を知らせる
- 「塩味」は体液のバランスに必要なミネラル分の存在を知らせる役割をもつ
- 「酸味」は、食物が腐敗している、果物などが未熟であることの警告の役割をもつ
- 苦味は危険を知らせる毒物のシグナルの役割をもつ
- うま味は身体をつくるのに不可欠なたんぱく質の存在を知らせる役割をもつ
- 甘味に比較して、苦味は1/1000の濃度でも感じられる
- 苦味などネガティブな信号をもつものでも、コーヒーを飲んだときのカフェインの作用による覚醒感やビールを飲んだときのアルコールによる高揚感などを味わう学習経験によってヒトは苦味や酸味を嗜好するようになる
- 一般的に牛や豚、ウサギなどの草食動物の舌には味蕾が多く、ライオンや虎などの肉食動物の舌は味蕾が少ない
- その理由として草食動物は「多くの草の中から食べられる草か食べられない草かを判断しなければならないから」という説がある
- 牛の味蕾は2万5000個、豚は1万7000個
- イヌの味蕾は2000個、ネコは500~1000個
- ヘビなどの爬虫類は食べ物を噛まずに丸飲みしているので味を感知する必要がなく、味蕾もないか少ない
- ヘビやトカゲは嗅覚器の一種の鋤鼻器(じょびき)で補っているという説もある
- 魚は口の中全体やエラ、体表面にも味蕾がある
- ナマズは体表面全体に約20万個の味蕾が存在する
- ナマズは米国では「moving tongue」の異名をもつ
- 昆虫などは主に触覚などにある化学物質を感知する器官によって味を判断していると推測される
- チョウやハエなどは前肢に生えている毛が味受容突起となって味を感知している
- 多くの鳥類は甘味の味覚を退化により失っている
- ペンギンの舌は酸味と塩味の2種類しか感知しない
- ネコは甘味以外の4つの味覚を感知する。甘味を感じないのは、完全に肉食であることと関係する
- イヌは塩味以外の4つの味覚を持っている
- 女性が男性よりも味覚が鋭敏であるという最初の調査結果は1888年に『ネイチャー』誌に発表され、その後行なわれたいくつかの研究でも同様の報告がされている
- 甘味は舌の先、酸味は舌の両端など、舌の部位により感じる基本味があるという“味覚分布地図”の俗説は、現在は否定されている
- “味覚分布地図”説を最初に提唱したのはD.P.Hanig(ヘーニッヒ)というドイツの科学者で1901年のことだった
- また味蕾ごとに味の分担があるという説も否定され、1つの味蕾が5 味すべてに対応することがわかっている
- 味蕾の数が多く、味を敏感に感じる「スーパーテイスター」は人口の25%程度存在するといわれる
- 試薬(苦味)を使った味覚テストでは、人口の約25%はこの試薬の味を感じることができない「ノンテイスター」。残り75%は程度に差はあれ苦味を感じることができる
- その苦味を感じることができる人のうち25%が、さらに敏感な「スーパーテイスター」に分類される
- スーパーテイスターの割合は、女性35%、男性は15%
- 人種的にはヨーロッパ系よりアジア・アフリカ系でスーパーテイスター率が高いとの説もある
- スーパーテイスターは平均的な味覚の持ち主より3倍ほど強く味を感じると推測されている
- ストレスがあるときは、唾液の中にリン脂質が多く含まれるようになり、苦味を感じにくくなる
- 運動後は酸味の感度が鈍るといわれる。これはだ液の成分が変化するためと考えられている
- 味覚機能が低下・消失したり、逆に過敏になったり、本来の味覚が感じられない状態を味覚障害という
- 味覚減退や味覚消失のほか、解離性味覚障害(甘みだけ感じられない)、異味症・錯味症(しょう油が苦く感じる)など味覚障害の症状はさまざま
- 味覚障害の原因として最も多いのは栄養成分(亜鉛)の不足で、約7割を占める
- 病気(ストレスによる症状や肝機能障害)、口腔乾燥症(ドライマウス)が味覚障害の原因となる場合も多い
- その他、薬の副作用、生活習慣(過度の飲酒・喫煙、味の濃い食品のとりすぎ)などが一因としてあげられる
- 強い精神的ショックやうつなどによる心因性の味覚障害も報告されている
- 国内における味覚障害の事例は1990年代には14万人、2000年代には24万人と増加傾向にある
- 東京医科歯科大学の研究グループの調査で、塩味・甘味・酸味・苦味の4つの味のうち、いずれかの味覚を正しく認識できない子どもが約30%という調査結果も
- 同調査で、とくに酸味を認識できない子どもは21%、塩味を認識できない子どもは15%にものぼった
- 味覚障害を起こしている小児は、味の濃い加工食品や人工甘味料入りの飲料を頻繁に摂取している傾向がある
- 味蕾の細胞をつくるもとになる栄養素が亜鉛
- 加工食品に含まれる添加物、保存料は、亜鉛の代謝に悪影響を与えると考えられている
- 亜鉛と一緒にビタミンCを摂ると、より効果的に亜鉛が体の中に取り込まれやすくなる
- 亜鉛はカキ、牛肉、豚レバーなどに多く含まれる
- 亜鉛の推奨量は成人男性で12mg/日、女性では9mg/日
- 味覚外来、味覚異常外来など専門の科を設置している歯科、耳鼻科、大学病院もある
- 近年、小腸にも味覚受容体があることが明らかになった。小腸で甘味を検知するとインスリンを分泌する
- 他にも身体の意外な場所に味覚受容体があり、背骨に酸味、膀胱に甘味、精子にはうま味の受容体があるという
- かき氷のシロップはイチゴ、メロン、レモンなどの種類があるが実はすべて同じ味。視覚に騙され違う味に感じる
- 赤ワインと白ワインも目隠しをして飲むと飲み分けるのは困難といわれる
- コーヒーの産地や銘柄ごとの品質を鑑定するために味覚検査をする専門家を「カップテイスター」という。ブラジルでは「クラシフィカドール」と呼ばれ、国家資格である
- 味細胞内で味の情報を伝える酵素は常温のときに最もよく働き、低温や高温のときは働きが弱くなる。とけたアイスクリームが甘ったるく感じたり、冷めたスープが濃い味に感じたりするのはこの働きのため
- 「プリンに醤油をかけるとウニの味」説、味覚センサーの分析によれば両者の味のパターンはほぼ一致する
- 砂糖と油脂は摂取するとβエンドルフィンという脳内ホルモンが分泌されるためやみつきになる
- 辛いものがやみつきになるのも、食べたときに脳内で分泌されるβエンドルフィンが関わっているといわれる
- デナトニウムはわずか0.01ppmの濃度で苦味を感じさせ、世界で最も苦い物質としてギネスブックに認定された
- デナトニウムは2000万倍に薄めても感知でき、誤飲防止目的で殺虫剤、洗剤、工業用アルコール等に添加される
- 世界で最も甘い物質はラグドゥネーム。その甘さは砂糖の約22万倍
- 2008年、米国のモネル化学感覚研究所のマイケル・トルドフ博士らの研究により、マウスにカルシウムに反応する2種類の受容体があることが判明したと報道された
- この受容体を人間も持っていれば“カルシウム味”が第6の味覚として認定される可能性がある