サポーティブケア患者さんへのエックス線検査の頻度は?
サポーティブケアで管理中の成人患者さんには、どのくらいの頻度でエックス線検査を実施すべきでしょうか?
ガイドラインを参考に、便益・リスク比が高いと考えられる場合のみ実施してください。
エックス線による影響には、一定量(闘値)以上の線量を被ばくすると必ず発症するという確定的影響と、闘値が存在せず、被ばく量に応じて徐々にリスクが蓄積していく確率的影響があります。歯科用エックス線撮影によって被ばくする低い線量では、確定的影響は通常起こりません。しかし、晩年の発がんなどのような、一定闘値がない確率的現象には、非常に低い線量でも、それ相応の低いリスクが存在することが仮定されます。
したがって、サポーティブケア管理中の患者さんへのエックス線検査は、診断や治療方針の決定に必要であると考えられる場合にのみ実施することが原則ですが、おおよその目安は、患者さんの口腔内の状況によるとの報告があります。
なお、国際放射線防護委員会のガイダンスには、無症状の患者を対象として、ある疾患の有無のスクリーニングを実施してもよいのは、①ある年齢層における発生率が高く、②疾患の早期発見の効果が高く、③スクリーニングを受けた者の被ばく量が低く、④容易に利用できる有効な治療法があることから、便益・リスク比が高いと判断される場合のみであることが明記されています。