☆ブラッシングに関する疑問:Q;タバコ以外の歯肉の着色の原因は?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆ブラッシングに関する疑問:Q;タバコ以外の歯肉の着色の原因は?

Q;タバコ以外の歯肉の着色の原因は?

A:着色の原因は、喫煙だけでなくメラニン沈着やメタルタトゥーといったものが考えられます。

 喫煙が原因でない歯肉の着色ということで、ここではメラニン沈着とメタルタトゥーのふたつについて紹介したいと思います。

 まず、メラニン沈着は、上皮の基底細胞層に存在するメラノサイトと呼ばれる細胞が刺激されて褐色の穎粒状色素であるメラニンを産生・分泌することで、歯肉表面より0.1~0.3mm程度の比較的浅い位置で発生するとされます。生理的に起こるため放置することが多いですが、患者さんが審美的障害を訴えるようであれば、フェノールアルコール等を用いて脱色や色素に反応するレーザー治療を行います。

 そのほかメラニン色素沈着の誘発刺激因子として、全身疾患(アジソン病、ジェガース症候群)、黒色腫、色素性母斑(ほくろ)などが挙げられます。これらは、着色部の色や形の変化に注意して、長期的な観察が必要となります。

 また、生活習慣などによる血行不良は、歯肉の色素沈着に関連があるとされます。寝不足や運動不足は血液の流れを滞らせ、食生活の乱れは筋肉や血流の改善に必要な栄養素の不足をもたらします。貧血やストレスによって筋肉が緊張して内臓への血液供給量が抑えられると、交感神経が緊張状態になって活性酸素が増加し、血液が全身に行き渡りにくくなります。

 もうひとつの原因として、メタルタトゥーが考えられます。メタルタトゥーは、メラニン沈着よりやや深い場所で発生します。これは銀合金を使用したクラウン、支台歯から溶けだした銀イオンが蓄積されて起こったり、銀合金の土台を形成するときに出る金属粉が歯肉中に入り込み、それが酸化して起こったりする場合があります。メタルタトゥーを予防するには、銀合金を使用しないことが肝要で、近年ではプラスチックやセラミックが頻用されています。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之