☆生活習慣病に関する疑問:Q;ブラッシング後のキシリトール配合食品の摂取はダメ?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆生活習慣病に関する疑問:Q;ブラッシング後のキシリトール配合食品の摂取はダメ?

Q;ブラッシング後のキシリトール配合食品の摂取はダメ?

A:キシリトール以外に口腔細菌の増殖に寄与する成分(脂質、タンパク質)が含まれている食品の場合、就寝前のブラッシング後の摂取は控えたほうがよいでしょう。

 キシリトールが非う蝕原性であることの根拠として、う蝕原性細菌であるミュータンスレンサ球菌の酸産生とグルカン産生の基質とならないことが挙げられます。また、キシリトール配合食品の多くはガムあるいはタブレットで、これを食べることによって、う蝕予防あるいはエナメル質の再石灰化が期待されるという報告があります。これらの効果はキシリトールのミュ一タンスレンサ球菌に対する作用のほか、ガムやタブレットを食べる際の咀喘を促すことで緩衝能の強い刺激唾液の分泌促進によるものと考えられています。

 とはいえ、キシリトール配合食品はう蝕の原因とならないとは言い切れません。キシリトールは単独での使用ではすぐれた非う蝕誘発性を示しますが、1%でもショ糖が存在すると、その非う蝕誘発性は損なわれる可能性があるとの報告があります。ですからー概に「キシリトール配合だからう蝕にならない」、あるいはなりにくいとは言えません。また、食品はキシリトールだけで構成されているものでもありません。お菓子のなかではチョコレートのように力カオ由来のタンパク質や脂質が含まれているものもあります。ですから、キシリトール配合食品の評価は、キシリトール配合の有無だけでではなく、その食品全体で評価すべきものと考えます。その評価の目安として、特定保健用食品(トクホ)の表示があります。

 キシリトール配合食品は、ミュータンスレンサ球菌を兵糧攻めにします。しかし、私たちは多種多様な糖質・糖類を口にします。そのなかにはミュータンスレンサ球菌が利用できるものがあることから、兵糧を根絶することは困難です。また、多くの細菌はその増殖にタンパク質を要求します。そうすると、ブラッシング後にキシリトール配合食品を食べることの是非について聞かれた場合、まずはトクホの表示があるものを推奨してみてください。なお、トクホ以外のもので、う蝕誘発能をもつ糖質を含有しないと謳っているものであればブラッシング後に食べてもう蝕発症に対するリスクは低いと推察します。
 しかしながら、チョコレートのようにタンパク質が含有されているものは口腔細菌増殖抑制の観点から、就寝前のブラッシング後に食べることは控えたほうがよいと考えます。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之