☆生活習慣病に関する疑問:Q;就寝前に緑茶を飲むと歯にいい?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆生活習慣病に関する疑問:Q;就寝前に緑茶を飲むと歯にいい?

Q;就寝前に緑茶を飲むと歯にいい?

A:緑茶に含まれる成分には、う蝕や歯周病などの疾患に対する予防効果がわかっていますが、就寝直前の摂取には注意が必要です。

 緑茶に含まれるカテキンには、う蝕や歯周病に対する予防効果があります。これまでに緑茶と歯に関する多くの研究がなされてきましたが、2018年のシステマティックレビューでは、「口腔衛生の維持という点で、緑茶を用いた洗口はクロルヘキシジンを用いた場合の代替とみなすことができる」と結論づけられています。

 緑茶にはさまざまな成分が含まれており、とくにポリフェノールに分類されるカテキンは、口腔疾患に対して良い効果をもたらすことがわかっています。カテキンはう蝕や歯周病の原因菌の増殖を抑制するため、それらの疾患の予防効果を有するだけでなく、嫌気性菌を抑制することで口臭予防にも一役買っています。また、緑茶に含まれるフッ化物は初期う蝕の再石灰化を促す重要な役割を果たします。

 高齢者を対象とした最近の疫学研究において、緑茶を1日に4杯以上飲む人は、飲んでいない人に比べて約1.6本歯が多かったとの報告がなされました。これは、日常的な緑茶の摂取が歯の健康維持に関係している可能性を示しています。

 以上をふまえて、緑茶の摂取は歯に対して良い影響を与えると考えられます。しかしながら、就寝前の摂取には注意が必要です。緑茶に含まれるタンニンは歯面のペリクルに残留することでステインの原因となり、また、力フェインは良質な睡眠を妨げる可能性があります。緑茶を就寝前に摂取する場合の注意点として、摂取後は口腔内に着色成分が残留しないように水で軽くゆすいだり、寝つきが気になる人は、就寝数時間前までに緑茶を摂取したりするなど、注意が必要です。

 緑茶は歯への効果だけでなく、体脂肪や脂質を調整する作用もあるため、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病にも効果があると言われています。日頃からセルフケアや歯科医院でのメインテナンスをしっかりと行ったうえで、積極的な緑茶の摂取をおすすめしてみてはいかがでしょうか。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之