☆生活習慣病に関する疑問:Q;緑茶うがいは、う蝕予防になる?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆生活習慣病に関する疑問:Q;緑茶うがいは、う蝕予防になる?

Q;緑茶うがいは、う蝕予防になる?

A:茶カテキンには、う蝕関連細菌の生育抑制などの効果が認められています。一方、緑茶に含まれるフッ化物は低濃度のため、う蝕予防効果は不明です。

 近年では、さまざまな疾患に対する緑茶の効能が着目され、研究が進んできています。口腔疾患においても同様で、特にう蝕の予防効果について、多くの研究で検討されてきました。う蝕予防における緑茶の有効成分として考えられているのは、主に茶カテキンを含むポリフェノールと、フッ化物です。茶カテキンで確認できている効果は3つあります。
 
 1つ目は、う蝕の発生・進行に関与すると考えられている10種類の細菌の生育を抑制する効果です。
 
 2つ目は、コップー杯の緑茶に含まれる茶カテキンが、Streptococcus mutansが歯面へ付着するのを阻害する作用す。実際に、1日3回、1週間続けて緑茶でうがいを行ったところ、唾液中のS.mutansやLactobacilliの菌数が有意に減少したとの報告があります。 
 
 3つ目は、緑茶の摂取が酸の産生を抑制することです。まず、唾液や細菌性のアミラーゼ活性を抑制し、でんぷんから糖の生成を抑える効果があることがわかっています。ある報告では、茶カテキンで洗口した30分後に10%シヨ糖で洗口し、歯面のプラークを採取してpHを測定したところ、水で洗口した対照群に比べてpHが有意に高かったことが示されました。その理由として、茶カテキンによる乳酸脱水素酵素の活性抑制が挙げられており、緑茶での洗口がプラーク中の酸の産生を抑制する可能性が示されています。

 一方、フッ化物摂取によるう蝕予防への効果については周知のとおりですが、緑茶のフッ化物濃度は0.5~2.0ppmで、フッ化物洗口に使われる洗口剤と比べかなり低い濃度です。そのため、フッ化物による歯の再石灰化やう蝕予防を期待して緑茶で洗口を行っても、どこまでその効果があるかは今のところ不明です。

日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之