☆疾患・症状に関する疑問:Q;ピロリ菌に有効な成分は、歯周病菌にも効果がある?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

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☆疾患・症状に関する疑問:Q;ピロリ菌に有効な成分は、歯周病菌にも効果がある?

Q;ピロリ菌に有効な成分は、歯周病菌にも効果がある?

A:マスティックは、in vitroでは歯周病原性細菌にも効果があるとされ、他の抗ピロリ作用のある食品の一部も同様とされていますが、歯周病患者への有効性は不明です。

 ピロリ菌の正式名称はHelicobacter pyloriといい、鞭毛を持つらせん状の細菌で、有力な歯周病原因細菌のP. gingivalisと同様にグラム陰性に分類されます。ピロリ菌は、胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因菌であるうえに、「胃がんの80%はピロリ菌が原因」との発表もあります。したがって、本菌が感染している胃・十二指腸潰瘍の患者は、がん予防のためにも保険診療で抗生剤を用いた除菌療法を受けることができます。

 一方、マスティックは、ギリシヤ・キオス島原産のウルシ科の植物、マスティックの樹液が原料で、単一の化学成分ではなく、食品としての総称です。マスティックは、ピロリ菌やP. gingivalis等の歯周病原性細菌への抗菌的作用を有します。 しかしながら、マスティックの歯周炎患者への効果は、はっきりと示されていません。

 マスティック同様にピロリ菌に効果がある食品として、クランベリー、ニンニク、クルクミン、生姜、ヨーグルト、緑茶(カテキン)、ならびにはちみつ(マヌカハニー)が挙げられています。しかし、歯周病患者がこれらを摂取した時の病態の変化に関する医学系研究は、調べた限りありませんでした。つまり、これらの抗菌作用を有した食品による実際の歯周病患者への有効性は明らかではありません。

 以上のことから、ピロリ菌は、歯周病の原因菌と同様のグラム陰性菌だという共通点はありますが、それによって、両菌が似ているとするのは、難しいと考えられます。一方で、ピロリ菌に抗菌作用のある食品としてのマスティックは、歯周病原性細菌にも効果があることが示されています。ただし、残念ながら、これらの食品の実際の歯周病患者への効果については、まだ完全には明らかになっていませんので、保健指導上、注意が必要です。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之