Q;歯周病菌は、子どもに感染する?
A:歯周病菌もヒトからヒトヘ感染しますが、感染年齢はおおむね18歳以降と高いです。また、ペットからヒトに感染することもあります。
う蝕と同様に、歯周病菌も唾液によって感染します。歯周病菌に感染した人の唾液が子どもの口に入ると、歯周病菌がうつります。しかし、う蝕と違うのは感染する年齢です。う蝕菌は1歳半から子どもにうつり始めますが、歯周病菌はそうではありません。歯周病菌の感染は遅いのです。
病原性の低い歯周病菌は小学校入学前にうつります(おそらく家族の唾液から)。小学校高学年までに中程度の病原性をもつ菌が口に住み着きます(家族あるいは家族以外の唾液から)。そして、もっとも病原性の高い歯周病菌であるPorphyromonas gingivalisが感染する年齢はおおむね18歳以降です。 18歳以降の唾液感染の原因は家族よりも、パートナー(恋人あるいは配偶者)とされています。感染が成立するには密度と頻度が必要ですから、―度きりのキスでうつるかどうかは疑問です。
また、ペットから感染することもあります。犬や猫にはヒトの歯周病菌に加え、Porphyromonas gulaeというペット独自の歯周病菌が感染しています。ペットの歯周病菌はヒトにもうつります。飼い犬に顔を舐められて笑っていてはいけないということです。
歯周病菌の感染予防には、人生を通じて他人の唾液が自分の口の中に入らないように注意を怠らないことが必要です。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之