Q;飲み物の種類と唾液分泌量は関係ある?
A:水分補給後は唾液分泌量が増加しますが、飲料の種類との関連は明らかではありません。 しかし、カフェイン含有飲料の場合、唾液の変化により口渇感が生じる可能性があります。
唾液の主成分は水分であり、水分補給は唾液分泌量に影響を及ぼす重要な因子です。これまでのいくつかの研究では、さまざまな種類の飲料摂取前後での唾液分泌量の変化が調べられています。その結果、飲料の種類(牛乳、コーヒー、フルーツジュース、炭酸飲料)にかかわらず、摂取後の安静時唾液分泌量は増加することが報告されています。また、カフェインを含む飲料と含まない飲料での比較においては、カフェインの有無に関係なく摂取1時間後の安静および刺激唾液分泌量は若干増加したという結果が示されています。
このように、カフェインの摂取は唾液分泌量自体に影響を与えませんが、今回の質問のケ-スのように口渇感との間には関連がないわけではありません。口渇感は唾液分泌量だけでなく口腔内のさまざまな因子と関連しており、唾液の物性(サラサラ感やネバネバ感)もその一つとして知られています。
また、主観的な評価である口渇感は客観的に評価できる唾液分泌量とは必ずしも相関しないということも明らかになっています。カフェインには交感神経を刺激する作用があり、この作用によって、唾液腺からはタンパク質が多く含まれたネバネバとした粘性の高い唾液が分泌されます。このカフェインに起因する粘性の高い唾液が口渇感を引き起こす可能性が過去の文献から示唆されています。
以上のことから、水分補給による唾液分泌量の増加は飲料の種類で明確な差はないと考えられますが、口渇感を訴える患者さんに対してはカフェインを含む飲料の摂取を控えるようにアドバイスをすることで、唾液の物性を改善し、症状を軽減させることができると思われます。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之