Q:入れ歯はむし歯にならないからみがかなくても大丈夫?
入れ歯は、プラスチックや金属でできていますから、たしかにむし歯になりません。しかし、使っているうちにプラークも歯石も忖きます。この点は歯と変わりないんです。ですから、「入れ歯も毎日みがく必要がある」んですよ。
きれいにみがかないと、細菌が猛烈に繁殖します。汚れた入れ歯の細菌を誤嘸したら肺炎の原因になりますし、だいいち口臭の原因になります。
入れ歯みがきのコツは、流水下で、入れ歯用のブラシや軟らかい歯ブラシで優しく洗うこと。プラークを取り除くには、ブラシで落とすのかいちばん効率がいいんです。
ただしこのとき、歯みがき剤を使いゴシゴシこするのはやめてください。入れ歯に傷が付き、プラークが付きやすくなってしまいます。歯みがき剤は使わずに、優しく洗います。なにか付けて洗いたいのなら、石鹸や入れ歯専用の歯磨き粉がいいです。ただしよく洗い流してください。
歯と同じで、入れ歯みがきも、できれば一日2回お願いします。昼間と、夜寝る前とね。そして夜は洗浄剤に浸ければ、スッキリした入れ歯で気持ちよく寝られます。
部分入れ歯のかたは、入れ歯を外して、自分の歯をみがくときにみがきましょう。入れ歯にプラークが付いたままでは、入れ歯をひっかけている隣の歯まで悪くなってしまう。それでは抜歯となり、入れ歯が作り直しになりますからね。
ところで、ジョージーワシントンが入れ歯だったってご存知ですか?博物館に飾られている彼の入れ歯には、人工歯でなく人間の歯が埋め込まれていて、その歯がむし歯になっています。つまり「ジョージーワシントンは、入れ歯の手入れをしていなかった」。しょっちゅう入れ歯を作り直していたらしいです。
お気に入りの入れ歯を長持ちさせるには、半年に一度くらい歯科医院で調整をしてもらうといいでしょう。使っているうちに人工歯が減ったり、土手の形も変化してきますから、総入れ歯になっても歯科医院をお忘れなく。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之