Q:歯みがきかたって流行があるのね。
中高年のかたかしら。若いかただったら、毛先を歯の根元に当てて細かく動かす「スクラビング法」を、歯医者さんや学校で教わって育ってきているはずですもの。おっしゃるとおり、以前は「歯ぐきにブラシを当て、ローリング法といってホウキで掃くようにクルンクルンと歯ブラシを回転させる方法でみがきましよう」つて教えてました。
ええ、私自身もすご~く熱心にしてました。歯ブラシは硬めをおすすめしていましたし、今とはぜんぜん違いますね。でもね、むし歯や歯周病について今ほど解明されていなかったこのころ、これが最前線の歯みがき法だったんです。その後、歯科学の成果が少しずつ積み上がり、むし歯や歯周病の原因はほぼ解明されました。「こうすれば予防できるじやないか」とわかってからは、それまでの予防情報が大きく更新されました。もちろん歯みがき法もです。
歯ブラシの品質アップも素晴らしくてね。日本のメーカーさんってすごいでしよ? 軟らかくて歯ぐきにやさしく、でも汚れはしっかり取れる。こんな歯ブラシなら、歯ぐきの近くをスクラブしても歯ぐきが傷つきません。
当時、スクラビング法が推奨されていなかったのは、そのころの歯ブラシでは歯ぐきが痛くてできなかったせいもあるでしょう。サイエンスって、どんどん進歩していきますよね。・IPS細胞だって、10年前には想像もしなかった。それと同じように歯科のサイエンスもどんどん進歩しています。歯みがき情報も、より効果のあるものへと更新されているんですよ。
患者さんに早くお伝えしたくて、私たちも啓発キャンペーンや口腔保健指導を頑張っていますが、患者さんご自身も、クリーニングがてら歯科情報をケットしに、定期的に歯科医院においでください。知らずに損しちやわないように。ぜひお願いしますね。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之