お口の都市伝説~歯みがきこれ本当!?;Q:歯ブラシ1本あれば歯周病を予防できる?|岩見沢市のインプラント歯科医院|みしま歯科医院

お口の最新情報 TOPICS

お口の都市伝説~歯みがきこれ本当!?;Q:歯ブラシ1本あれば歯周病を予防できる?

Q:歯ブラシ1本あれば歯周病を予防できる?

「歯ブラシ1本で歯周病を予防できる」だなんて、日本に蔓延している「歯ブラシ万能神話」には困ったものです。歯周病の原因であるプラークやバイオフィルムが、歯と歯のあいだ(隣接面)や歯と歯ぐきの境目の溝(歯肉溝)にできると、歯ブラシはなかなか届かず、取るのが難しいのです。それに衛生学では「予防の成功には3種のヶアが必要」とされているんです。ひとつはセルフケア。2つ目がパブリックヘルスケア(自治体の歯科健診や公衆衛生活動)。3つ目が歯科医院で受けるプロフェッショナルケアです。

ところが日本では、多くの人がセルフケアさえ頑張れば大丈夫だと誤解している。しかも歯ブラシー本で予防できると。これには私たちは猛省しなくちゃなりません。予防指導が「歯ブラシ指導に偏っていないか?」とね。北米人の歯みがき時間は日本の半分ぐらいですが、高齢になって抜かずに残っている歯は後期高齢者で、日本より多いようです。これはプロフェツショナルケアが十分にされているからです。まずセルフケアですが、隣接面も掃除しないと、半分近い面積にプラークが溜まったままです。日本ではフロスや歯間ブラシを便う習慣が拡がりません。指導しても「面倒だ」ってね。日本人はきれい好きだっていいますが、プラーク1mgには10億もの細菌がウヨウヨですよ。これを溜めていて平気とはね。

パブリックヘルスケアでは、歯科健診がタダでも、実際に受ける人はごく少数。歯周病は痛まずに進みます。健診を受け見逃さないことです

もっとも重要なのがプロフェッショナルケア。歯周病の原因となる歯肉溝のプラークは、歯ブラシではまず取れないので、歯科医院でていねいに取ってもらうこと、これが必須なんです。ふだんからフロスや歯間ブラシも使うこと、健診を受け、半年に一度は歯科医院で歯ぐきのなかをきれいにしてもらうこと。この3つを続ければ、歯周病の予防はきっと成功します。すぐにもはじめましよう。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之