Q:フッ素塗布?もうお子ちゃまじゃないし。どうせ2~3ヶ月で取れちゃんでしょ?塗布しても無駄じゃん?サボりた~い。
中学生というと、大人の歯がほぼ生えそろつてくる時期。乳歯の抜け替わりが6歳くらいからはじまって以来、ついに一生使う歯、永久歯の完成期を迎えます。おめでとう。
それでは歯自体もすっかり大人かというと、そうではないんです。エナメル質のハイドロキシアパタイトが、まだまだ未成熟でやわらかい。つまり「お子ちゃま」で、酸に溶けやすくむし歯になりやすいんです。
歯は、長く使っているうちに唾液に鍛えられて強くなっていきます。唾液に含まれたリン酸カルシウムを取り込んで徐々に硬く成熟し、むし歯になりにくくなります。でも、そうなるまでに数年はかかるので、それもあって、永久歯の奥歯に中高生の頃からむし歯ができはじめる人は多いんです。「そういえば中学生の頃、よく歯医者に通ったなあ。あの頃が歯医者通いのはじまりだ」なんて人、結構いるのでは?
しかも生まれたての奥歯は、歯の溝も深く汚れが溜まりやすいです。使っているうちに深い溝は少しずつふさがっていきますが、若い人の歯は汚れがすごく溜まりやすい。奥歯はもともとみがきにくいうえ、生えかけだったりすればさらにみがきにくい。「やわらかくて、汚れが溜まりやすく、みがきにくい」これが中高生の歯なんです。
フッ素(フッ化物)を塗ると、ハイドロキシアパタイトがフロルアパタイトという、より酸に強い結晶に変わります。むし歯予防効果がとても高いので、この時期、フツ素塗布をぜひ継続して続けていただきたいものです。
フッ素塗布は、子どもの歯にするものだと思われがちですが、そんなことないんですよ。定期的に歯科医院でフツ素塗布をし、家では毎日フッ素入りの歯みがきを使ってください。継続的に使うことがとても重要です。
中学時代は、部活や勉強で自分を鍛える時期。ぜひ歯もフッ素で鍛えてほしいですね。将来歯で苦労する大人になるか、ここが人生の別れ道。親に反抗したって、自分の歯のことですからね。サボらないでフッ素塗布に行きましょう!
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之