Q:歯にも、からだにもいいから運転中はゼロカロリーのコーラ。
タクシードライバーのみなさん、お仕事お疲れさまです。運転中は緊張の連続。お客さんへの気配りも大事で気の抜けないお仕事ですもの。大好きなコーラでも飲んで、スッキリ爽快な気分で運転していただきたいな、って私も思います。
嗜好品って、本当に大切ですよね。私たちがこころ豊かにほがらかに生きていくために、とっても重要なものですよ。こればっかりは理屈抜きです。
「からだにいい」というゼロカロリーコーラ。糖の摂り過ぎが気になる健康志向のかたに大人気です。砂糖が入ってないから、むし歯菌のエサになる心配もない。そこもすごくいいですね。
ただ、歯科医師の立場からは、ひとつ気になることがあります。それは歯の「酸蝕症」なんです。酸蝕症というのは、酸性度の強い(酸っぱい)飲み物や食べ物を過剰に食べたときに、その酸に触れた歯が溶けてしまう、という病気なんです。
エナメル質が薄くなる分、歯が弱くなって、むし歯にもなりやすくなります。ふつうの飲食のなかで摂る酸なら、唾液が洗い流して修繕してくれますから心配いりません。でも酸性の強いものを習慣的に長時間飲食していると、唾液の働きが追いつかなくて、歯が溶けてしまうんです。
いちばん気になるのは、信号ごとにチョビチョビ飲んでいるってこと。ゼロカロリーとはいえコーラですから、けっこう酸性度が高いんです。だから、運転手さんの歯は、毎日長い時間、酸を浴び続けているんじやないかなあ、って心配です。
ただ、私だって歯に悪いと知りつつ、甘いものをちょっと食べてホツと一息してますもの。コーラの気分転換が安全運転の源になっているのかもしれませんよね。そこで、飲みかたを変えたらいかがでしょう。
休憩のときに冷えたのをダーツと一気に飲んで、スキーツと気分転換するんです。こうすると、歯が酸に触れる時間を短くできます。上手に飲んで、歯を守りつつリフレッシュを楽しんでくださいね。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之