上部構造の種類
上部構造(被せ物)の種類には、以下のようなものがあ
ります。
<オールセラミック>
歯と同じ色合いのジルコニア(非常に硬いセラミック)のプロップを削り出して作ったフレームの上に、セラ
ミックを焼き付けたものです。色調はもっとも天然歯に近く、審美的にも非常に優れています。
<メタルボンド>
薄い金属のフレームの上に、セラミックを焼き付けた被せ物です。天然歯と同様の色調です。
<フルジルコニア>
歯と同じ色合いのジルコニア(非常に硬いセラミック)のブロックを削り出して作ります。セラミックの焼付を行わず、プロップ単体なので、奥歯など色合いよりも強度を重視する場合に使うことが多いです。
<ハイブリッド>
セラミックとレジン(医療用プラスチップ)を混合した材料です。
<金属>
奥歯のあまり見えないところであれば、金属を使う場合もあります。欠けたりしないというメリットがあります。
<義歯>
インプラントを使って固定する、取り外し式の入れ歯です。オーバーデンチャーといいます。
前歯のインプラント
前歯にインプラントを入れる場合は、審美性を重視する必要があります。歯を抜くと、その部分の顎骨や歯肉が薄くなり、自然さを再現できないことがあるため、治療後の審美性確保のために、骨や粘膜の移植を行うことが多くあります。
インプラント治療のなかでも難易度の高い治療のひとつとなり、高度な技術と知識が必要になります。
総義歯・部分義歯とインプラント
総義歯(歯がまったくない人のための入れ歯)および部分義歯(部分的に歯がない人のための入れ歯)において、義歯を固定するためにインプラントを用いることもできます。インプラントによって義歯を固定し支えることで、噛む力が増し、発音や食事もしやすくなります。論文でも、インプラントを用いたほうが、満足度が高いことがわかっています。
インプラント治療に必要な解剖学
上顎洞
上顎の小臼歯から大臼歯の上にある空洞で、耳鼻咽喉科領域では副鼻腔といわれる箇所です。上顎洞内は上顎洞粘膜(シュナイダー膜)で覆われています。
下顎管
下顎の小臼歯から大臼歯の下にある、血管と神経を含んだ太めの管です。この部分を避けてインプラントを埋入します。
オトガイ孔
下顎管内の血管と神経が下顎骨から出てくる孔です。オトガイ孔は複数存在することもありますので、手術のときにはCT撮影で詳しく検査する必要があります。