妊娠中の歯肉出血は防ぎようがない?|岩見沢市の歯医者|みしま歯科医院

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妊娠中の歯肉出血は防ぎようがない?

「歯ぐきからの出血が増えたのですが、このまま悪くなってしまうのでしょうか?」と質問を受けました。妊娠中はしかたないのでしょうか?

セルフケアと歯周治療で悪化を防ぐことができます。

妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増加するため、歯肉の発赤や腫脹が起こりやすくなるとともに、ある種の歯周病原細菌の増殖が促進されます。さらに、つわりによってブラッシングが困難になったり、食事回数や嗜好の変化が起こったりすることで、プラークの蓄積が進み、歯肉の出血が起こりやすくなります。

これらの症状は、出産後、ホルモンバランスが落ち着くと改善するものです。また、中等度~重度歯肉炎に罹患した妊婦さんに対して、個別に立案された口腔衛生指導と歯肉縁上縁下の歯石除去を行ったところ、歯肉炎や歯肉ポケットの改善が認められたという報告もあり、悪化は防ぐことができるといえます。

妊娠期における口腔清掃の重要性を説明し、歯肉の出血は改善できることを伝え、個々に応じたセルフケアの方法を学習しましょう。また、必要であれば、母体にストレスがかからないように注意しながら、安定期である妊娠中期(16~27週)に歯周治療を行うことも可能です。しかし、できれば妊娠前から口腔環境を良好に保つためのセルフケアに留意し、定期的な歯科受診を継続することの重要性を学びましょう。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之