歯周病の原因となる細菌の表記には、「歯周病原菌」「歯周病細菌」「歯周病原細菌」「歯周病原性細菌」「歯周病関連細菌」など、似ていますが、使い方に違いはあるのでしょうか? また、英語ではどのような表記になりますか?
歯周病の原因となる細菌の表記には、「歯周病原菌」「歯周病細菌」「歯周病原細菌」「歯周病原性細菌」「歯周病関連細菌」など、似ていますが、使い方に違いはあるのでしょうか? また、英語ではどのような表記になりますか?
ある程度の使い分けはありますが、厳密には区別されていないようです。
歯周病の原因となる細菌の表記にはさまざまな用語が使用されています。
日本歯周病学会編『歯周病学用語集第2版』では、教育・論文執筆・学会誌投稿などの際に第一選択肢として使用する用語として「歯周病原細菌」が選定されており、同義語として「歯周病原性細菌」「歯周病原菌」「歯周病細菌」が、類義語・関連語として「歯周病関連細菌」が挙げられています。
一方、日本細菌学会用語委員会編『微生物用語集 英和・和英』では、「歯周病原菌」と「歯周病原性細菌」が掲載されています。こちらには、「歯周病原細菌」は掲載されておらず、学会によって相違があるようです。
上記の2つの用語集から総合的に判断すると、「歯周病原細菌」「歯周病原性細菌」「歯周病原菌」および「歯周病細菌」はほぼ同じ意味で使われているものと思われます。また、「歯周病関連細菌」は、歯周病と関連はあるもののその病原性についての確信が弱いと著者が考える場合に使われるようです。ただし、実際には、厳密に区別されずに使われていることも多いと思われます。
英語表記については両者とも「periodontopathic bacteria」と記載されています(単数形はperiodontopathic bacterium)。しかし、国際雑誌に掲載された論文には、「periodontal bacteria」「periodontal pathogens」などの表記もみられます。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之