「発泡剤の入った歯磨剤を使うとブラッシング時間が短くなる」と聞いたのですが、本当ですか?
発泡剤の泡立ちでブラッシング時間で短くなることはありません。
発泡剤の泡立ちのためにプラーク除去が不十分なままブラッシングを終了してしまうという可能性も考えられますが、本当でしょうか?
ヒトを対象とした実験によれば、そのような事実は認められませんでした。たしかに、以前の歯磨剤はブラッシングするとかなり泡立ちましたが、現代の発泡剤の発泡性は低く抑えられ、歯磨剤への配合量も少ないため、歯磨剤の泡立ちが原因でブラッシング時間か短縮することはありません。
発泡剤の機能は、口腔内に歯磨剤の成分を分散させて、その成分の機能を発揮しやすくし、さらにブラッシング中の液ダレを防ぐなど快適に使用できることです。この機能のおかけで、たとえば、フッ化物を口腔内(歯と粘膜表面やプラーク中など)に行き渡らせることができ、再石灰化現象が長時間促進しやすくなります。
さらに、発泡剤が配合されていることにより、歯磨剤の使用量が少なくても効果的にプラークを除去でき、プラークの再付着も抑えられることがわかっています。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之