歯科インプラントは信頼性の高い治療法です!
現在,主流となっているチタン製インプラントは,スウェーデンの整形外科医であったブローネマルク博士が,1952年にチタンスクリューピンを利用した動物実験中,偶然にもチタンと骨が結合するオッセオインテグレーションを発見したことから研究が開始され,臨床応用されるようになりました.
当初,ブローネマルククリニックではインプラントを無歯顎患者に応用しており,インプラントの生存率は5年間で上顎92%,下顎99%と非常に高いものでした(Adell 1990).その後は部分欠損患者にも応用が進み,5年生存率は上顎94.4%,下顎94.1%と報告されました(Lekholm 1994).また最近になって,ブローネマルククリニックにおけるインプラントの長期生存率が報告され,無歯顎では25年で83.8%,部分欠損では25年で90.3%と,高い生存率が示されています(Jemt 2018,Jemt 2019).
このようなインプラント治療のエビデンスが蓄積されるにつれ,世界中でインプラントが日常臨床に取り入れられるようになりました.
☆インプラント治療においてもプラークコントロールは重要です
インプラント治療が必要となるような歯の欠損の原因は,主に餉蝕と歯周病で,どちらの疾患もバイオフィルムが深く関わっています.先に述べた高いインプラント生存率は,良好なプラークコントロールによって達成されたと考えられます.最近では,インプラント周囲病変の問題も取りざたされるようになってきており,残存歯とインプラントを健康に維持するためにプラークコントロールが重要であることをあらためて認識する必要があるでしょう.