Q:インプラントがぐらぐらするときは?
・インプラントがぐらぐらするときには、できるだけ早く歯科医院に行かなくてはいけません。
・インプラントがぐらぐらする原因は
インプラントがぐらぐらするときには、できるだけ早く歯科医院に行かなくてはいけません。ぐらぐらする場合は、主に・上部構造のセメントが崩壊している・上部構造のねじ止めしている部分が緩んでいる・インプラント体自体が骨と結合していない・アバットメントが破折している・インプラント体自体が破折している の4つが考えられます。
・セメントの崩壊というのは
最も単純な外れ方です。特に最近は仮止め用のセメントを最終的なものとして使用していることが多いので、使用しているうちに外れてくることもあります。再度咬み合わせを確認したうえで着けてもらってください。頻繁に外れるようならばセメントの種類をもう少し硬いものに変更することもあります。
・上部構造のネジ止めが緩んでいるというのは
インプラントの上部構造には毎日食事をするたびに大きな力がかかるため、途中で接続しているネジが緩むことが起こります。これを締めなおすために、最終的なセメントには仮止め用のものを使うことが多いのです。緩んでいるだけでなく上部構造の一部であるアバットメントが欠けていることもあります。その場合は、新品のアバットメントに交換することもあります。
・インプラントの歯根部分自体が骨と結合していないというのは
インプラントの歯根部分(フィクスチャー)が骨から離れて動揺を始めた場合、多くは撤去しなくてはいけません。インプラントの撤去が早ければ、再度埋入術を行えることもあります。インプラントの上部構造が動揺してくるには、歯ぎしりなどの力が加わっている可能性が高いです。もし、それまで睡眠中にマウスピース(=ナイトガード)を使用していなければ早めに作製して毎晩使って、上部構造が壊れることを予防してください。
・アバットメントが破折しているというのは
インプラント体に結合させるパーツである「アバットメント」が破折してしまうことがあります。メーカーが想定している以上の力が一箇所に加わることが原因ですが、アバットメントは取り外せるパーツなので再製作が可能なことが多いです。インプラント体にまで問題が及んでいなければ印象を採り直して製作します。想定していた以上の力が加わる原因としては、近接している天然歯が過度の磨耗をしたことやインプラント以外の天然歯が抜けてしまったことによる負担の増加が考えられます。また、完成時には考えられなかったレベルの歯ぎしりや咬み締めなどの習癖が現れたこともあるかもしれません。
・インプラント体自体が破折しているというのは
インプラント体自体が破折しているためにぐらぐらしてくることがあります。この場合は、ただちにインプラント体自体を除去する必要があります。破折したインプラント体を放置するとその部分が細菌感染して炎症が起き周囲の組織が破壊されていくからです。破折してからの時間が長いほど骨を失う量が増えることになるために再治療が困難になります。一般的に直径の細いインプラント体は力学的に弱いため破折しやすい傾向にあります。骨の状態によっては細いインプラント体しか使えない部位もありますので、その場合は本数を増やすなどの対策が必要となります。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之