Q:インプラントによる出血が 止まらないときは?
1,出血の原因は、インプラント周囲炎が起こっているからです。
2,出血が止まらない、ということは通常のブラッシングでは除去できない部分の細菌数が減らないからです。
・出血の原因は
出血の原因は、インプラント周囲炎が起こっているからです。天然の歯でも歯周炎が起きると出血することがありますから、同様の炎症がインプラントでも起き、そして出血するのです。炎症が起こるのは、口の中の細菌が増加したまま放置されているからです。口の中の細菌のかたまり(プラーク)はとても柔らかいので、歯ブラシなどの清掃器具がきちんと当たれば除去できます。出血が止まらないのは、通常のブラッシングでは除去できない部分の細菌数が減らないからです。
・出血を起こさないためには
インプラント周囲の歯肉から出血が起こる、というのは炎症がある程度進行してからのことですから、それ以前に口の中の状態を観察していけばかなりの割合で予防できるはずです。定期検診を受けることはもちろんですが、インプラントの生え際に細菌のかたまりが残っていないかをご自身でチェックするといいでしょう。綿棒などでインプラントの根元を全周拭ってみただけでも確認できると思います。出血以前の症状としてはこういった細菌の付着だけでなく、細菌が発する悪臭、歯肉の違和感(むず楳いなど)があります。
・全身疾患も疑う
長期間出血することなく良い経過をたどってきたインプラントから急に出血するようになった場合は、全身疾患の変化も疑ってみる必要があります。糖尿病の悪化、血液疾患、服用している薬の影響、などが考えられます。
・手術直後の出血がとまらないときは
全身疾患が特にない患者さんでも、手術の翌日まで微量の出血が続くことがあります。この場合、必ず血は止まりますが、心配な場合は次回の予約を早めて担当医に診てもらうと安心です。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之