Q:インプラントの材料は?
・現在使用されているインプラントのほとんどは、2ピースタイプで、基本的には純チタンかチタン合金が用いられています。
・最近増えつつあるのがチタンベースのジルコニア製アバットメントです。
・チタン合金が用いられている
現在使用されているインプラントのほとんどは、2ピースタイプです。その組成も、各社研究されていますが、基本的には純チタンかチタン合金が用いられています。1950年半ばにスウェーデンのブローネマルク博士が純チタンに骨が強く結合することを発見したことが現代のインプラントの礎となっています。チタンは生体親和性が高く、生体アレルギー反応を起こす例も非常に少ないために最もすぐれた材料といえます。また最近では、オールジルコニアというすべて白い材質でつくられたインプラントもつくられ始めています。しかしながら骨との結合能力ではまだまだチタンに軍配が上がるようです。ここでは現在主流の2ヒースタイプのインプラントについて解説いたします。
・インプラント体(フィクスチャー=埋入部分)は
表面処理方法は純チタンまたはチタン合金の表面を粗く加工したタイプとハイドロキシアパタイトをコーティングしたタイプとがありますが、ベースとなる材質はいずれも純チタンまたはチタン合金です。純チタンまたはチタン合金は、生体親和性が高いだけでなく、強度的にもインプラントが具備すべき条件を満たしていますので、現在最も適した材料と考えられています。純チタンまたはチタン合金と骨との結合力はとても強く、実際にインプラントを除去しなくてはいけない症例があったとしても大変な労力を要するといわれています。インプラント周囲炎が起きて周囲の骨が吸収されない限り、インプラントが取れてしまうことはないとお考えください。
・アバットメント(上部構造部分)は
現在の主流は、インプラント体と同じく純チタンまたはチタン合金製のアバットメントです。このチタン合金製アバットメントに加えて、最近増えつつあるのがチタンベースのジルコニア製アバットメントです。ジルコニアは、チタン合金以上の硬さを持っているうえに色が白いために前歯部に用いた場合、非常に審美性に優れた歯冠修復が可能となります。
・最終的な補綴物は
完成時に実際に歯として口の中につくられる部分を補綴物と呼んでいます。インプラントの場合、多くはクラウンやブリッジとなりますが、総入れ歯を補助的に支えるためにインプラントを用いる場合は、最終的な補綴はやはり入れ歯となります。
・クラウン・ブリッジの材質は
上記のインプラント体、アバットメントは、完成時には口の中では見えなくなってしまいます。患者さんが肉眼で見ることができるのは、「クラウン」の部分です。クラウンの部分については金属、セラミック、ジルコニアが主に使用されています。クラウンをアバットメントに付着させる方法も主に2種類あり、セメント(接着剤)を用いる方法とネジ止めする方法とがあります。インプラントの上部構造として、クラウンやブリッジで対応できない症例もあります。 1つは骨の吸収が大きい症例、もう1つは失った歯の本数と比べて少ないインプラントの埋人本数で支える設計にした症例です。骨の吸収が大きい場合はガム付き(ガムgum=歯ぐき)とも呼ばれ、白い歯の部分だけでつくってしまうと極端に長くなってしまうためにピンク色の人工の歯ぐきを歯の根元に追加する方法です。患者さんの中には歯を失ったのだから白い歯だけでつくってほしい、という方も多いですが、実際には歯ぐきの体積も骨と同時に大きく失われているのです。ピンクの歯ぐき十白い歯という構造を採用することによって、より自然な口元が再現されることもあるのです。
・治療費用の負担を考えてインプラント本数を少なく設計
患者さんの治療費用の負担を考えると、使用するインプラントの本数が少なく設計する必要があります。もちろん力学的に無理な設計はできませんが、最近の世界的な潮流として少数のインプラントで全体を支える試みがなされています。この場合、12~14本あった歯を最少では3~4本のインプラントで支えることになりますので、インプラント体も大きな負荷がかかっても大丈夫な位置に埋入することになります。そのため、本来の歯があった位置とは若干のずれが生じることがあり、天然の歯に似た形態だけでは補いきれずに歯ぐきが追加された上部構造となってしまいます。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之