A: はい。生理的老化の進行を穏やかにして、病的老化を防ぐことができます。
☆インプラントで予防できること
老化は、加齢の結果として誰にでも起こる生理的な機能低下である「生理的老化」と、病気やケガの結果でその合併症によって起きる誰にでも起きるとは限らない「病的老化」の2つに分けられます。インプラントはかむ力と咀嚼能力が天然歯に匹敵しており、以下を予防することが可能です。
1自信喪失
フレイル(加齢にともなう心身虚弱の状態)のスタートポイントは社交性の欠如です。入れ歯などに比べ、インプラントは審美的で固定性がよいため自信がみなぎり、社交性を維持できます。
2筋力低下
インプラントでかむ力が向上し、咬筋(顔側面の筋力)を刺激して筋力の厚みを維持します。また、咀嚼能力が向上することにより筋肉をつくるタンパク質が摂取しやすくなり、さらに咬筋の厚みを維持します。咬筋が厚ければ全身の筋肉は維持されるといわれています。
3低栄養
インプラント治療により、硬い食材や細かい食材など多品目の食物の摂取が可能となり栄養バランスをよくすることができます
4転倒
インプラント治療により体幹バランスを維持できること、前述の筋力の低下を予防できることにより転倒予防につながります。
5アルツハイマー型認知症(AD)
インプラント治療により脳への刺激が向上し、食生活も変化できることによりADを予防できます。かみ合わせを整えるとADの原因物質の1つであるアミロイドβという異常タンパク質を正常値にコントロールできるという興味深い研究もあります。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之