入れ歯との違いは?
入れ歯(義歯)には、次のような利点があります。
①健康保険でも作れる。
②短期間でできる。
③他の歯をあまり削らないで作ることができる(ブリッジとの比較での利点)。
しかし、入れ歯の場合、支えとなる歯が入れ歯とともにゆすぶられてぐらついたり、入れ歯に接する歯が非常にむし歯になりやすいという傾向があります。
では、インプラントと入れ歯との違いを考えてみましょう。
①インプラントは健康保険でできませんが、入れ歯は健康保険でもできます。
入れ歯の場合は、材料や作り方によっては健康保険の適用を受けることができます。
②インプラントは隣りの歯を削る必要がありませんが、入れ歯は隣りの歯を削る場合が多いです。
部分入れ歯の場合はバネをかける都合上、歯を削らなければいけないことが多いです。特に精密な入れ歯になるほど削る量が増える傾向にあります。
③インプラントの装着感は自分の歯とほぼ同じ感覚ですが、入れ歯の装着感は良いとはいえません。
入れ歯は残念ながら装着感や見た目、発音(発語)が良いとはいえません。それに対してインプラントは装着感、見た目、発音ともに自分の歯とほば同じにすることが可能です。
④インプラントは自分の歯とほぼ同じ食べやすさで食事を楽しめますが、入れ歯は咬む力も弱く食感も鈍くなります。
入れ歯になると自分の歯の20~30%の力でしか咬み切れなくなってしまい、味覚や食感も鈍くなりますが、インプラントの場合は自分の歯とほば同じ力で咬むことができるので、食生活を変える必要はありませんし、食事が楽しくなります。
⑤インプラントはきちんとお手入れをすれば骨や歯肉の減少を防げますが、入れ歯は防げません。
インプラントの場合、毎日のお口のお手入れをきちんとおこない定期的にメインテナンスを受けていれば、骨や歯肉が減るのを予防し、長くインプラントをお使いいただけます。これに対して、入れ歯を入れていると徐々に骨が減っていきます。ですから、何回も裏打ちをしたり、作り直しが必要です。この骨の減少は定期的に検診をしても予防できないことが、インプラントとの大きな違いです。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之