A: インプラントを使って入れ歯を安定させる場合と完全固定式のブリッジとがあります。
☆インプラントで入れ歯を安定させる(オーバーデンチャー)
費用を低く抑えることができます。入れ歯が許容できる方に適応します。使用するインプラントの本数は、2~4本となり、インプラントで取り外し式の総入れ歯をお口の中で動かないように支えます。歯の配列に自由度があり、かみ合わせの設計に優位です。インプラントと総入れ歯の接合部には、さまざまな形のアタッチメントを使います。
たとえば、口ケ-タータイプ、ボールタイプ、バータイプ、磁性体を使って吸い付けるタイプなどです。インプラントと粘膜の双方で咬合力を支えます。欠点として、高齢になると入れ歯が外せなくなったり、長期に使う場合は入れ歯の作り替えが必要になります。
☆インプラントの完全固定式ブリッジ(ボーンアンカードブリッジ)
歯がまったくない(無歯顎)状態で、下あごであれば5~6本、上あごであれば6~8本のインプラントを用いて、上部構造をスクリューまたはセメントで連結固定するブリッジの形態をした被せ物です。最近では、4本で固定することができる治療法もあります。
設置するインプランは並べる歯に対して平行に埋入するため、歯を並べる位置はインプラントのポジションに依存されます。インプラントのみで咬合力を支え、完全な固定式となるため、取り外す煩わしさがありません。欠点としては、費用が高くなり、患者様自身で外すものではないために清掃性が悪くなります。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之