Q:自家骨移植ってどういうこと?
・骨の移植は、インプラントを支える土台をつくるために必要なことがあります。
・自家骨移植は、自分の骨を使って移植をしますので、まず骨の採取が必要になります。
・骨の移植をするのはなぜ
歯がなくなってしまうと、歯を支えていた骨の薄い部分は吸収してなくなってしまいます。また、歯の状態が悪いまま放置したような場合には、顎の骨がやせてしまいます。そうするとインプラントを支える土台となる顎の骨がないためそのままではインプラントをしたくてもできない場合があります。このような場合、インプラントをするために、顎の骨の移植をする必要があります。骨の移植として自分の骨を利用する(自家骨移植)、 人工の骨補填材を利用する、他家骨移植・異種骨移植の方法があります。
・自家骨移植は骨の採取が必要
自家骨移植とは、患者さん自身の骨を採取して、骨が少なく移植が必要な部分に移植する方法です。移植する骨の必要な量によって採取する場所が異なります。移植する骨が少量ですむ場合には、インプラントを入れるために削った顎の骨を利用します。専用の器具を使用して、削った骨をその場で回収するため、追加して骨の採取を行う必要がありません。しかし、多量の骨は採取できません。もう少し骨が必要な場合には、口の中から上顎や下顎の骨を採取します。現在は下顎の奥のほう(親知らずのあったあたり)から骨を採取するのが一般的です。そして移植が必要な部位にその骨を塊ごともしくは砕いて、移植します。インプラントの埋入を同時に行えないほど極端に骨の少ない場合は、骨が定着して安定するのを約4~6か月間待ち、その後インプラントを挿入します。さらに、たくさんの骨が必要な場合は、腰の骨など顎の骨以外から骨を採取しますが、このような場合は非常に稀です。
・自家骨移植のメリット・デメリットは
自家骨移植の利点は、他の代替材料を使うよりも、自分の骨を利用するため感染のリスクが少なく安心ということです。また定着する骨も多いといわれています。しかし、インプラントを埋める場所とは別のところからの骨の採取を行いますので、手術部位が複数となってしまいます。特に腰骨など顎の骨以外からの骨の採取する手術であれば、全身麻酔や入院が必要になり、やや大きな手術となってしまいます。口の中からのみの移植であれば、特に入院は必要ありません。
・骨補填材を用いたときは
骨移植に際して、自家骨移植でなく骨補填材という骨の修正のための材料を用いる場合もあります。骨補填材を用いた場合、骨の採取がありませんので、患者さんにかかる手術の侵襲は減ります。つまり余分な痛みや腫れはありません。手術時間も短くてすみます。
・他家骨移植・異種骨移植を行うときは
欧米では、骨移植を行う場合、他家骨移植・異種骨移植を行うことも多いようです。他家骨移植は他の人の骨を利用すること、異種骨移植とは牛などの他の動物の骨を利用することです。
それぞれ製品として安全な処理がなされ、欧米の国々では正式に許可され広く使用されています。日本でも、患者さんの同意を得たうえで利用される場合もあります。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之