A: 抜歯後に病巣を取り除き、骨を再生させます。骨が治癒した後に、インプラント治療が可能になります。
☆ソケットプリザベーションテクニック
インプラント治療は、感染のない安定した骨に埋入するのが大前提です。しかし、抜歯前の時点で骨の中に大きな病巣が存在する場合は、インプラント体に対する固定が得られない場合があります。その場合は、抜歯後に病巣をきれいに取り除き、その空間に骨補填材料(骨に置換・骨の両生の足場になる材料)を填入して、4~6か月治癒を待ちます。そうすることで、病巣部分が骨に置き換えられ、インプラント治療が可能になる環境をつくることができます。CT撮影で骨の再生を確認してから、インプラント治療の最終計画を行います。この一連をソケットプリザベーションテクニツクといいます。
- ソケットプリザベーションテクニックの要件
・大きな病巣が腫瘍性でないこと
・病巣を取りきれないほどの嚢胞でないこと
・急性症状がないこと
・抜歯後に周囲の骨がある程度存在していること など
抜歯をすると、歯を支えている骨は萎縮し、元の状態が維持されることはありません。ソケットプリザベーションテクニックを用いることで、ある程度の骨のボリュームを維持することが可能です。
ただし、一般的に治療期間が延長し、インプラント手術時に追加の骨再生手術(GBR)が必要になる場合があります。要件を満たしていない場合は、抜歯後に骨の完全な治癒を待ち、骨造成(骨再生療法)を行います。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之