痛くなくても親知らずを4本とも抜いたほうかよいこともあります。
あまり歯を抜かないで、極力歯を残して、元にもどすことが基本的な歯科治療の原則です。しかし、親知らず(智歯といいます)は、生えてくるときや一番奥なために不潔になりやすく、歯肉炎が生じて痛みを伴うことが多々みられます。その中でも、一部口の中に露出するか、ほとんど見えない状態で痛みの出ないケースもあります。
下顎の親知らずが前方の歯に接触していると、その部位にむし歯を誘発することがあります。むし歯は歯根のやわらかい部分になりやすいのです。痛みが出ずに徐々に進行し、痛くなったときにはすでにむし歯が深く進行していて、最悪の場合、2本とも抜歯になることがあります。このようなケースは、親知らずの萌出年齢万ある18~24歳以降の方にみられます。
そうならないためにも、受診時にエックス線写真を撮影し、疑いがある場合は、痛くなくても親知らずを4本とも抜いたほうかよいこともあります。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之