歯磨剤の形状にはいろいろありますが、最近では特に、泡(フォーム)タイプや液体タイプの歯磨剤について、聞かれることがあります。これらの効果や使い方の違いを、どのように使用すればよいでしょうか?
それぞれの利点と欠点を学び、目的に合わせた使い方をしましょう!
泡(フォーム)タイプや液体タイプの歯磨剤は、一般的な練歯磨剤よりも分散性が高く、口腔内のすみずみにまですばやく行き渡りやすいと考えられています。
泡タイプの利点は、少量で使えることです。うがいが苦手な低年齢児(1~3歳)や高齢者に対しても使用しやすく、う蝕予防に効果的であると言われています。また、エナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイトヘのフッ化物イオンの吸着速度を上昇させ、耐酸性を向上させることから、う蝕予防効果の高まることが実験的に証明されています。
液体タイプは、歯磨剤で洗口してからブラッシングするため、歯ブラシだけでは磨きにくい歯間部のプラークコントロールにも効果があるでしょう。また、ブラッシング後に水ですすぐ必要がないため、災害時など水が貴重なときにも使いやすく重宝されます。
注意が必要なのは、どちらのタイプにも清掃剤(研磨剤)が入っていないことです。過剰なブラッシングによる知覚過敏の発症を抑制できるという利点もありますが、外来性の色素が着色しやすくなるという欠点もあります。また、ブラッシングの効果を高めるためには、歯磨剤だけに頼らず、歯ブラシによる機械的な清掃が必須であることも、あわせて学習すべきでしょう。
日本口腔インプラント学会認定専門医 みしま歯科医院 三嶋直之