Q;フッ化物洗口液とフッ化物ジェル、う蝕予防に効果的なのは?
A:どちらも効果的ですが、メリット・デメリットがありますので、特徴を理解したうえで組み合わせて使いましょう。
フッ化物配合の洗口液とジェルのう蝕予防効果を比較した研究は、ほとんどありません。しかし、どちらも世界各国で介入研究が実施されてきました。バイアスなどを加味したシステマティックレビューの結果、小児におけるう蝕や成人における根面う蝕予防において、副作用に勝る有用性が両方ともに認められています。
つまり、どちらがう蝕予防に効果的かというよりも、どちらもが効果的と考えられます。しかし、対象や使用方法において、それぞれにメリット・デメリットはあります。
フッ化物洗口液は、安価で簡便であり費用対効果が高く、個人でも公衆衛生的にも応用できるすぐれたう蝕予防法です。継続することに意義がありますが、家庭で行う場合は中断されることも起こりえます。教育機関で児童を対象としたフッ化物洗口など集団応用の普及が望まれますが、まだまだ十分とは言えません。また、いちばんの注意点としては、洗口と吐出が十分にでき、飲み込むことがないようにしなければならないことです。そのため、-般的には4歳以上が対象とされています。
フッ化物ジェルは、歯の萌出直後から応用できる点がすぐれています。また、ブラッシングで十分にプラークを除去した後に塗布して、フッ化物を口腔内に保持できる点も効果的です。一般的な成分として、フッ化第一スズが使われています。スズイオンの抗菌作用によって、プラークの抑制や唾液中S.mutansの減少が確認されています。しかし、副作用として粘膜の収れんや着色、苦みがあることが知られていますので、十分な説明とメインテナンス時の確認が必要です。
う蝕予防には、歯の萌出直後からのライフステージに応じた継続的なフツ化物の応用が必須です。フッ化物洗口液やジェルタイプを含めた歯磨剤に加えて、歯面塗布は、いずれも高いう蝕予防効果が認められています。「どれを選択するか」というよりも、それぞれのデメリットをメリットで補いながら組み合わせて応用していくことこそが、より高いう蝕予防効果を生むと思われます。
日本口腔インプラント学会認定専門医 岩見沢市 みしま歯科医院 三嶋直之