服用薬と歯科治療のこと

出血が止まらなくなる薬「抗血栓薬」

脳梗塞や心筋梗塞を防ぐ抗血栓薬には、血液をさらさらにする作用があるため、出血すると血が止まりにくくなります。歯科治療では意外に出血する場合が多いので注意が必要です。だからといって歯科治療のために服用をやめると、血栓・塞栓症につながるおそれがありますので、勝手に服用をやめないでください。

☆特にこの前には要注意!

・抜歯

・インプラント埋入

・歯周外科治療

・縁下でのスケーリング

顎骨壊死を引き起こす可能性のある薬「骨吸収抑制薬」

骨を強くする骨吸収抑制薬は、骨粗鬆症の治療にいちばんよく使われる薬です。しかし、重大な副作用として、顎の骨が壊死すること(顎骨壊死)があります。特に、抜歯などの外科処置の刺激によって引き起こされることが多いです。顎骨壊死の予防には、抜歯など外科処置まで至らないように、日頃からケアをしっかりして歯の健康を保つことが重要です。

☆特にこの前には要注意!

・抜歯

・インプラント埋入

・歯根端切除術

・歯周外科手術

・口蓋および舌側骨隆起の切除術

・骨縁下ポケットのSRP

歯肉の増殖を招く薬「抗てんかん薬」

抗てんかん薬の中で、フェニトインという成分の入った薬を長期間服用した場合、副作用として、50%以上の方に歯ぐきの腫れがみられます。歯ぐきの腫れは、慢性的な歯肉炎にもつながります。歯ぐきに刺激が与えられると腫れが起こりやすくなるため、予防するには歯石の除去など日頃のケアが必要です。

歯肉の増殖を招く薬「カルシウム拮抗剤」

高血圧や狭心症、心筋梗塞などの治療に使われるカルシウム拮抗剤(Ca拮抗剤)は、血管の壁の収縮を抑えて血管を広げ、血圧を下げる薬です。血管が広がる副作用として歯ぐきの腫れが起こることがあります。